嘘を破って【ツイステ】 (ページ7)

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碧の強欲ページ7

　
　
　
　
そうピシャリと言ってしまえば彼は今までで最高潮に機嫌が悪くなり、周囲で雷が激しくなっていき視界が騒がしくなる

好き好んでジャミルを責めている訳じゃあないさ
彼がどんな思いを抱えていたのか、少なからず知っていた

だって幼い頃に会った時の彼は野心を隠しきれてなくって、今もそうだけれど

あの日、廃倉庫から助かったカリムに彼は言ったんだ「たまには役に立つ魔法で良かったな」って

本人の記憶は取っているから覚えていないことだとしても、当時色々な事を経験してきて、重なって混乱していた私にはその言葉がとても腹立たしかったのだ

でも冷静になって考えてみようと思えば、彼も彼なりの苦労があるんだって知った

同時に彼に上に立つ才能は無いということも
だってまるで世界が見えていないんだもの

彼にはとても言えないけれどカリムの方がよっぽど才がある

生まれ持った天性のモノとはそう簡単に覆せない
ジャミルは傍らで支えて、カリムの手から零れ落ちた命を救ってあげることが最もあっていると

決めつける事は良くないけれど、そう思った

『一番の位というのは、みんなそれしか見てくれないんだ

誰も君自身の実力を見ない。その席を見てる
その能力を、使い勝手を、権力を.....

誰も彼も利用することばかり考えて本当の中身を見てはくれないんだ

あくまでも個人的な意見ではあるけれど、一番って、凄く、嫌な場所』

目の前には誰の背中もない
そればかりか後ろの人に刺されるかも

周りに理解者なんていない、いるわけなくて
孤独って、そういう事だ

誰もいないことが孤独なんじゃなくて、誰かがいるのに誰も自分を認識してくれないことこそが、孤独なんだ

凄く、暗くて寒くて怖くて、嫌な場所

思い出して自分の体を抱きしめるように両腕を動かせば彼は何も言わなくなった

＿なぁ、君にはいるじゃないか

誰も褒めてくれないだって？
すぐ隣にいつも褒めてくれる子がいるだろう？

凄いな！流石だな！ありがとう！って、君の名前を呼んでいて、笑顔で隣にいて、

良いなぁ、私にはそんな人、いなかったから
なんて、羨むだなんて馬鹿らしい
それこそ強欲というものだ

だからさ、すぐそこにいるじゃないか
君が突っぱねる、一番の理解者

「ジャミルッ！！」

「ッ！か、カリム？！」

あぁ、ほんと

もう、消えちゃいたい

　
　
　