嘘を破って【ツイステ】 (ページ28)

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レオナside

　
　
　

『....あぁ、こんな事をしに来たわけじゃなかったんだ。すっかり忘れてた』

ホリデーの前後で変わったと、明るくなったと思った顔つきも、先程の発言から前と同じ、抜け殻のような表情に戻る

こいつだけはどこに地雷があるのか分からない
知ってても態と踏むだろうけど、と黒い駒を拾う

彼女は近くで花か何かを取ろうとしているみたいでぶつぶつ話している
あれが噂の特殊なユニーク魔法だろうか
がさがさと茂みに手を突っ込んでいて煩い

黒は白を際立たせる道具でしかない、といつか誰かが言っていた
顔を見た訳では無いがソイツは全身が真っ黒で
....確か心理学用語でこんなものがあったような

「....黒い羊、だったか？」

がさ、と漁る音が止まる
ちらと横目で見れば真顔で、しかし目を見開いてこちらを一点に見つめるアイツがいた

おぉ怖い、と笑ってやり過ごすが丸めた背中を冷や汗がつぅと嫌に一筋流れる
どこぞの狩人に狙われる時とは違う、あっちは興味観察だがこれは＿＿

すぐに鋭い風の音がして、花の匂いが強くするのは彼女が花を持って歩を進めたからだろう

『私達は変わり者じゃない。異端者じゃない。』

「.....。」

『私達が変わり者というのならそれで構わない、私達だって白い羊になんてなりたく無いから。』

「.....。」

『誰かの意見に流されて生きたくない。』

「......。」

『理解されたいなんて、思わないよ。』

そう言って手に持った花を一輪押しつけてこの場から去っていく

三角の形をした派手な模様の花
中央には熱帯の植物特有の斑模様があるが匂いは普通の花々と変わらない

「....チグリジアの花、か」

そんな顔して言われても、説得力ねぇんだよ
芝に落ちていた黒い駒は砂となって、風に攫われた

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#おじ誕

　
　