嘘を破って【ツイステ】 (ページ13)

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碧の記しページ13

　
　

　
　
『まぁ、そうは言ってもこちらは出された疑問などに答えてあげるだけなので。肝心の内容はそちらから提示してもらっても良いですか？』

そう笑いかけてあげれば彼女は唾をごくんと呑む
ド緊張しちゃってる。確かに自分の目つきが悪い自覚はあるんだけどさ

時は有限、金にも変えられないというし
なるべく早くしてねと軽く微笑む

「ひっ...じゃなくて
えぇと、聞いていなかった事があったのですが。まぁ大体が初耳でしたけど。

予定よりも大幅に早期に提案、その結果議会で承認されてしまった私の戴冠式がホリデー明けに行われる、と国を出る本当に直前に、城の中の方でなくネロさんから伝えられたのですが

その提案をしたのがA様というのは一体どのような意図があっての事なのでしょう」

中々にいい質問だね、一ポイントあげるよ。
戴冠式、つまりは彼女が正式に新たな女王という冠を受け継ぐ儀式の事なのだが

まぁついたからと言って夫を必ず用意しなければならないという訳でもないし、過去にも学生時代から既についていた、という証拠は残っているから特例という訳でもないのだ

しかし太陽の戴冠式を行なうという事
それは月の、影の消滅を表すのが私達の母国

『特段誰かが決めた訳でもない、つまらない道筋を描く台本(シナリオ)を破り捨てるのなら早期に終わらせるしか無かった。

予想外、想定外、規格外。彼女が思いもしなかった新しい道を見つけなければいけない』

「彼女？」

片眉を潜めて呟くアリシアにこくと頷く

『結局私たちはシスターの手のひらで踊らされているだけの存在。彼女は狂気に染まっていたけれど、でも理性もしっかり持ち合わせていた。
頭のキレ、予知能力、肉体能力も才能に溢れた存在だったと記されている』

しかし悲しいかな、その頭脳が民や友人の為ではなく殺戮や自身の幸福の為に使われてしまった

彼女には守るべきものは無かったのか、なんて
それについては知る術がない
もっと昔、彼女がああなってしまった原因とか、そういうの

何故かひっかかる感覚があるけれど確かめる事も出来ない

『そんな彼女はある計画を進めた

彼女は自身が死して自由に動けぬ身となろうとも楽しみがない方がよっぽど辛いと思ったんだろう

そして意思はなくても、形を留めずとも生き続ける術を見つけた』

『それが魔法に寄生し生きること
つまり彼女は今も生きているんだ』

　
　
　
　

　
　