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碧の問題用紙 ページ12

 
 
 

最強で絶対に何物にも防げないと言われるその矢



数多の矢を出現させる純白を纏うその魔法は相対する盾も無いままに最強の名を欲しいままにした



しかし少女は知っていた
その最強の、天からの祝福とも言えるその力の弱点を、抜け道を






だって本来、彼女が受け継いだはずの魔法だから






「........嘘。」




弓矢を放った張本人、アリシアが呆然と呟く
最強であるはずのこのユニーク魔法がいとも容易く消え去ってしまったのだ




自身の姉の眼前で、バチュンという不思議な音と共に




当の本人は阿呆ほどデカい溜息をついて片方の手で髪の毛をぐしゃぐしゃと乱暴にかく




「なァんだ。しばらく現場離れてたンだから平和ボケしてると思ってたのに。
心配要らなかった見たいっすねェ?」


『...あのなぁ、お前の考える作戦は何時も腹立つぐらいうざったいんだからな?あとどんだけ道具使ってんだよ馬鹿』




後処理の事も考えろ、とキレ気味に言うAに床に寝っ転がった黒外套の女、ネロは笑う



「作戦をたてる時は相手が嫌がる事をしろって言ったの姫さんッスよぉ?な〜んで怒るんスか」



『そうだけど...』と口を尖らせる白の少女とやっぱり笑う黒の少女



ネロの下手くそでいい加減な敬語加減に驚きの表情を浮かべるアリシア




『ネロまで来るとは思ってなかったんだけど
一体どう言う経緯があって二人で訪れたのかな』




改めて立ち直るAがそう言って訪問者の回答を求める



遠くにいたアリシアはまさか姉の方から呼んでくれるだなんて思っていなかったから少し考えて
あ、自分の事かと少し嬉しく思いながら駆け寄る




「え、えっと。_A様、事前にお伝えする事も無く突如目の前に現れてしまった御無礼をお許し下さい。」




そう言って帝国式礼の内のひとつで謝罪の意を込めた、左胸に手を当て右手を腰にやり頭を下げる礼をする




「然し私もそれなりの覚悟と証拠を持ってやって来ました次第。貴方様との会談を望むのですが」


『あー、そう言う堅苦しいのじゃなくて良い
どうせここには大した関係者も居ない。それに、君が今から解くテストに正解すれば全部関係なくなるんだから』




あたしは大した関係者じゃなかったのか、と呟く自身の部下を無視してはてなを浮かべる妹を見る





『そ、簡単なテストさ。さぁ、満点取れるかな?』





自身の唇にそっと人差し指をあてがって楽しそうに微笑んだ
 
 
 

 
 
 
 

碧の記し→←碧の雄叫び



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作者名:あしな | 作成日時:2020年7月26日 17時

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