嘘を破って【ツイステ】 (ページ11)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:17,640 hit

碧の雄叫びページ11

　
　
　
　
　
　

胴に飛んでくるナイフは右手で掴んで投げ捨てて

背に飛んでくる矢は風でへし折って

左腕に飛んでくるクナイは左手で叩き落として

両脚を喰らおうと意気揚々に飛んでくるどこぞのトゲトゲしい犬は蹴りあげて後ろの彼らに渡して

眉間を的確に狙う弾丸は遠い段階で燃やせばデカい爆発音が辺りを包み込む

雨のように次々と降ってくる、又は真横から、或いは真下から飛び出てくる暗器やらそこらのあり物やらを能力を活用して把握し全てに対処する

そろそろ弾切れだろうと頃合いを見て感知魔法を展開し、使役者を炙りだそうとするがその瞬間を見切っていたのかひゅんと黒い影が飛んできて拳が振り下ろされる

突然の事であったが反射的に両腕を交差させて顔の前に持ってくる

するとピンポイントで中央に衝撃が加わる
足の裏に力を入れて飛ばされない様耐えるのだが、自身の真後ろ、大股二十歩分くらいの場所

つまりは談話室の出入口の扉付近から大量の魔力が収束するのを風だけじゃない、自分の中の危機管理能力も感知する

自分の魔力までもが少し吸われかけて、常に力を張っていた左脚がかくんと折れ、体制を崩す

黒の外套を羽織ってフードも被って完全に姿を見せる気の無い目の前の相手が一切の躊躇いも無く、尚も飽き無く拳で殴りかかろうとしてくる

長い右腕の先についた小さな拳をこちらに振り下ろそうとする、その瞬間

がッと奴の手首を左手で、関節部分を右手で掴んで思い切り投げて床に容赦なく叩きつける

“態と”倒れた私は無言のまま、しかし荒い息をはきながら立ち上がって素早く後ろを振り向く

そこには眩しいほど輝く、真っ白い天使をモチーフにしたその魔法の弓矢を手に持った彼女の姿を確認、あの弓矢が放たれれば正に神速

並の人間なら消し炭に、手練の魔法士や歴戦の戦士でも対処不可能の最強の矛を今まさに放ってしまったその小さな少女

避けられない、対処する方法を選択する隙も与えさせないその速度

あぁ、もう、鬱陶しい

盛大に舌打ちした私は右脚を大きく振り上げて

『だぁらっしゃあああああああぁぁぁ！！』

ブチ切れた顔で雄叫びをあげ、その長い脚を勢いよく振り下ろして談話室を、スカラビア寮内を大きく揺らした

　
　
　
　
　
　