嘘を固めて【ツイステ】 (ページ8)

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碧と眼鏡ページ8

今日も今日とて図書室活動
と･しょ、と･しょ、と変な掛け声を頭の中で再生しながら一つの本を棚から取り出す

古ぼけた背表紙、少し被ったホコリ
中身を流し読みしようとぱらぱらページをめくれば古本特有の匂いがする

『ふふふ.....』

「えっと....何か面白い本なのか？ソレは」

びくっと体を揺らし声の方を見れば眼鏡が良くお似合いのオカン系男子第二弾、トレイ･クローバー

お菓子作りが得意という乙女なことこの上ない彼はこちらを見て微笑ましそうにしている

一人で笑っている私はさぞ滑稽だったでしょうね、ええ、笑うがいい。だからそんな保護者的な表情は辞めてくださいな

『いえ、普通の料理本ですよ。これがお望みでしたでしょうか？』

「あぁ、良い料理本を探していたんだが、それは他のと比べて少し古いんだな？」

そうですね、とかさかさの年代を感じられる黄ばんだページを撫でる

「そういえば、図書室の本は処分したりするのか？」

『いえ、基本的に古い物は大切に手入れしてなるべく長く持たせるようにしています

だってこの本の少しむせ返るような匂い、ページをめくる度にかさかさと音のなる年季の入り具合、たまに生徒が本を汚して謝ってくるのでその度に繊細な洗浄魔法を施したり......とにかくあらゆる点において古き物は素晴らしいのです

特にこの部分の洗浄魔法の素晴らしさと言ったら....この魔法をかけた方は相当の実力者である事が分かります......！！』

「へぇ、そんな事まで分かるんだな」

あぁ、ここまで話しても引かずに聞いてくれる人なんて片手で数えられる程度だったのが今二つ目の手に入りますぞ....！！

一人じーんと感動していると楽しそうに笑う先輩がまさかの一言を放つ

「じゃあこれを処分する事が学園長から言われたら？しかも逆らうことは許されない」

『そっ、そんな殺生なぁ......！！！』

よろよろとよろめき後ずさる
この人は笑顔でなんて事を......！！！

「あ、冗談だぞ？」

『は？』

「いや、Aの表情がころころ変わるのが面白くてつい、な？」

だっていつもは無表情なのに本のことになると感情的っていうか可愛くて.....ごめんな？と眉を下げる彼を私は腹黒眼鏡と名付ける事を今決めた

冗談でも許すまじ、この腹黒ドS眼鏡......！

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ただトレイ先輩が書きたかっただけ。

　

　