嘘を固めて【ツイステ】 (ページ6)

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放課後、ポムフィオーレ寮へと帰る途中エペルは不思議に思った

今日の朝話しかけたAの事

ひと肌脱ぐ、と言ったきり会えていないのだが何かあったのだろうかと心配になる

意を決してスカラビア寮に行こうとしたらルーク先輩に止められて今現在ともに寮へと帰っているのだが彼女のことを聞いてもはぐらかされる

もっと話したかった、と落ち込みながら鏡の前に立ち寮へと移動する

｢ただいま帰りました～.....えっ」

何故か総出でお出迎えしてくれるポムフィオーレ寮の面々

みんな何やら複雑そうな顔をしている

それに何やら美味しそうな匂いもしてくるし.....

「あの、これは一体？」

「今日だけ、特別なんだからね」

寮長が腰に手をあて疲れたように話しかけてくる
何が特別なのだろう、と思いながら後ろからルーク先輩がぐいぐいと押してくるままに移動する

いつも皆で夕食をとる席に着かされたと思えば
テーブルの上に並ぶものに目を見開く

「こっ、これは.....！！」

『今日はお肉の安売りキャンペーン実施日でございます～』

そう言って真顔でお肉を焼き続ける少女
何故ここに、いや、何故お肉。

ここの人達がそんな、焼肉だなんて許すはずもないのに、何故かテーブルには簡易式の焼肉プレートと沢山の種類の高級肉達

口が開いたままふさがらない僕を見てA先輩がおかえりなさい～と言ってトング片手に近づいてくる

あれ、一応聞くけど、この方王族だよね......？

そんな疑問を知ってか知らずか呑気にカチカチとトングを鳴らす彼女がひと肌脱ぎましたと発言

『エペルが好きなもの、焼肉を今日くらいは食べさせてあげたくて、皆さんからも許可は頂いていますよ～』

振り返り寮生達を見れば皆複雑そうに頭を抱えている

やっぱり無理なんじゃ.....と思っていると今度は前方からさっきよりも激しくカチカチと音がする

『もちろん、皆様も頂きますよね？』

「「ひぃぃ.....！！」」

もちろんを強調させもはや脅しのような雰囲気

真顔なのは変わりないのにどこか黒いオーラを醸し出す彼女についに寮生達も折れ、皆揃って焼肉を食べることになった

いいの？という意味を込めて彼女を見れば満足気に、にやりと笑っていた

　

　