嘘を固めて【ツイステ】 (ページ41)

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太陽だった人ページ41

「お姉ちゃん！私、今日から女学校....？ってとこに通うのよ！これは制服！似合うかな？」

『....あぁ、アリシア様ですか。女学校への御入学、おめでとうございます』

「....え？」

あ、ありがとう...と笑顔を凍りつかせる妹

その背丈はぐんぐんと伸びており、それに比例するかのように姉の背も伸びていた

しかし姉はあくまでも冷たく妹に接する
もう愛称で呼ぶことも無く、ただ城の召使いであるかのように姫に挨拶をする

昔、暖かく美しかった碧の瞳は冷たく妹のことを突き刺す刃物の様で

『女学校に入られても勉学を疎かにしてはいけませんよ、次時王は貴方なのですから』

「....私、それに納得した訳じゃ」

『力を持ち産まれたものの宿命です、今の言葉は今後口に出さないように』

「＿＿はい」

それでは、と素早く踵を返す姉を妹はただ見つめることしか出来ず

僅かに上げた右手を静かに下ろした

それからの幻影はどれも妹一人のもので

妹がどれだけ時間をかけて探しても、姉は見つからなくて

彼女は姉に会えない寂しさと虚無感、それから自身の決められた運命による孤独に苛まれ

いつの日か姉と悪巧みをした木の下に蹲り静かに泣いていた

誰もこなくて、別に来て欲しいと望んでる訳じゃないけど、きっと召使い達は自分じゃどうにも出来ないからと近づいてこないのだろう

自分が泣いていたって彼女達の声は聞こえてくる

いっそこのまま誰もこなきゃいいんだ

そう願ってるのに

『＿＿今はもう夜、体を冷やしますよ姫様』

どうしてこんな時に来るのよ

いつも探したっていないくせに
望む時にいないくせに

こんな情けない姿を見られたくないのに
何でなの、私が辛い時、貴方が必ず現れる

私に最初に冷たくした貴方が、貴方だけが私の心配をしている

「......ほっといてよ」

『しかし』

「いいから！！どうせ全部嘘のくせに！！あんただって私のこと、次期王だからって優しくしてるだけなんでしょ！？」

思っても無いことと、思ってることどちらも私の口から一気に溢れ出てくる

思ってもないのに

「あんたなんか！大っ嫌いよ！！消えてよ！！
私の前から！いなくなってよ！！！！」

＿＿＿思ってるくせに

姉妹の心の距離は、背が伸びるようにどんどん離れていった

まるで比例するように、ぐんぐんと
　

　

　