嘘を固めて【ツイステ】 (ページ5)

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外伝　夢の姫林檎編ページ5

「A先輩！おはようございます！」

『エペル、おはようございます』

登校中メインストリートを歩いていると突然声をかけられた

振り返ればむさ苦しい男どもの巣窟であるこの学園に咲く可憐な見た目の少年がふわりと柔らかな微笑みとともに挨拶をくれる

あぁ、エペルのお母様、お父様、この天使を産んでくださりありがとうございます。と天を仰ぐ

初めは直視出来なかったが今ではしっかりとその瞳を見つめ返せるようになり、またエペルの方も自分から話しかけてくれるくらいには懐いてくれていた
ていうか先輩呼びが堪らなく尊い

＿＿そういえば、産んでくださりありがとうと言えば、今日はエペルの誕生日では？

ふと頭に浮かんだ疑問は彼の顔を見ればすぐに確信に変わる

うきうきというのが顔にかいてあるかのように分かりやすく伝わるオーラ

あ、多分これおめでとうって言って欲しいんだな

なんでこんな可愛いんだ、と自分の口元を手で覆い隠し密かに発狂する

『うきうきしているようですが、何か良いことでも？』

「えっと、実は今日僕の誕生日で...」

ですよね、知ってますとも勿論。
あぁこの世に生まれ出会ってくれてありがとう

『それはそれは、おめでとうございます
では何かお祝いをしなくてはいけませんね』

「あっいや、A先輩におめでとうって言って貰えただけで嬉しいし....えへへ」

んん、と咳をし変態モードに入らないようにする
この咳払いも慣れたものだ

いやしかし可愛い後輩の誕生日を祝わないというのは先輩として如何なものか

あっ、良いこと思いついた

『...そういう訳にはいきません、ここは私がひと肌脱ぎますから』

「えっ、何の話....あれ、先輩？どこ行くんで＿＿」

彼の言葉も最後まで聞かずに私は善は急げと走り出した

さぁ頑張ろう、私。

　
　
　

　