ぷろろーぐ ページ2
一年前_
僕は最近この土地に引っ越してきた。
理由はいたって単純。
……嘘。特にない。
しいていうなら何かアイドル科へ来ないかという書類がきたからだ。
といっても特に変わった様子は無い。
「A、忘れ物ない?弁当持った?」
「ない、持った!」
「Aネクタイしめれたか?チャックしめ忘れてないか?」
「しめれた、しめ忘れてない!」
うちは朝から大変。
何たってうちの家族は過保護なのだ。
これが通常運転なのは、
面倒くさいが幸せだろう。
「おにーちゃん!行ってらっしゃい!」
「ん、行ってくるね、翔兵(しょうへい)」
可愛い弟に、格好いい姉に兄。
年齢差はさほどない。
だが、少し遠くの存在に見えてしまう。
僕が甘やかされて育ったからだろうか。
まあ、今は僕が翔兵を甘やかす番だからね。
と、考えて歩いているとぶつかってしまった。
「す、すみません!怪我はないですか!?!」
「え?あ、大丈夫です〜!…同じ制服ですね♪」
「え、あ、!そうですね!」
第一印象は、変人。
というか、とても不思議な人だ。
「見ない顔ですね、転校生さんですか?」
「はい!今日から夢ノ咲学院アイドル科です!」
「アイドル科なんですね〜!俺も一緒です♪」
え?…アイドルの卵ってコト?!
「あっ、そろそろ行かないと遅刻しちゃいますっ!はしりますよ!」
後々僕が恋に落ちるなんて思いもしなかった。
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作者名:☆夜空★ | 作成日時:2023年2月7日 1時