#165. 最後に何を。 ページ19
「二宮、特殊な形で受けててね。二次試験受けずに、もう合否が分かるんだよね」
喉に貼り付いたチョコのせいか、
込み上げてきた感慨のせいか、
……どうしようもない悲しさのせいか。
言葉が
出ない。
「三石さん？」
先生のまつげがバッサバッサ動く。
「あ……えっと……えっと……」
いろんな感情が混ざり合って、うまく、喋れない……。
松本先生はちょっと微笑みながら、ゆっくり待ってくれた。
「すっごい、嬉しい。先輩が……あの先輩が思いつめるくらい、頑張ってたの見てたから」
「うん」
「けど……けど、やっぱり卒業しちゃうんだ、違う学校に通っちゃうんだ、って」
分かってたことだけど、先輩がいて、私が騒いでる日常はもう戻って来ない。
次に先輩が学校に来るのは卒業式で、それが終われば三年生のいない学校がやってくる。
先輩は、もう……私の先輩じゃなくなる……。
元旦に一度会ってから、先輩とは本当に何も連絡を取れていない。
試験の朝、迷って迷ってひとことだけ、『応援してます』って送ったんだけど、それも未読のまま。
「今の内に泣いとく？」
「泣きません!!」
あっ、大声出た。
松本先生はケラケラ笑ってる。
「悲観しすぎじゃない？」
「えー、でも……」
「先生は、三石さんはこれからも二宮と連絡取り合ってくと思うんだけどなぁ？」
何か含んだような言い方。
「それは先輩次第じゃないですか！」って言ったら、先生はまた笑った。
「先生、三石さんが羨ましいよ」
「……なんで……？」
私は松本先生が羨ましいのに。
先生は微笑んだまま、首を傾けて言う。
「全身で、全力で、青春を楽しんでるもん。いいね、10代」
「……何それー……」
ねぇ、先輩。
私はいつでも貴方を想って泣くし、貴方の一挙手一投足に心を奪われて振り回されてるよ。
先輩は
そんな私に、最後に何をくれますか……？
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琴子(プロフ) - めろん。さん» わぁーおかえりなさい、受験お疲れさまでした!!(遅いか！笑) ただいま絶賛続編書き書きしております、書きながら作者もニヤニヤしちゃう() 月日を経て段々デレデレしてきちゃう先輩の姿を早くお届けしたいな！ 嬉しいコメントありがとうございました(*.ﾟωﾟ) (2019年1月19日 23時) (
レス) id: 41dca15b9a (このIDを非表示/違反報告)
めろん。(プロフ) - 1年前受験生の時にずっと読まさせていただいてました。1年前ぶりに帰ってきてすぐに読んできました！少しずつ変わり始める二宮先輩の行動にニヤニヤが抑えきれませんでした。今頃どうしてるんでしょうか笑続編楽しみに待ってます！ (2019年1月19日 12時) (レス) id: 22a17272cb (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 愛渚さん» わぁ…コメントありがとうございますーめちゃくちゃ嬉しいです( ；∀；)コメントに勇気いるの分かります！ でもいつでも大歓迎、わくわくしながら待っておりますので気軽に送って戴けたら嬉しいですー(*.ﾟωﾟ) 続編、一刻も早くお届けできるよう頑張りますっ！！ (2019年1月8日 10時) (レス) id: 41dca15b9a (このIDを非表示/違反報告)
愛渚(プロフ) - はじめまして。ずっとコメント書きたかったのに、恥ずかしくてなかなか書けませんでした。いつもキュンキュンしながら読ませていただいていました。続編、楽しみにしております！ (2019年1月8日 2時) (レス) id: 83e74fc252 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - かりんさん» 終わってしまいました！！ 最後までお疲れ様です！！！ やーそこまで感情移入していただけて作者冥利に尽きる゜゜(´O｀)°゜ 最高な読者さんたちに支えていただいて完結することができました！ 沢山読んでいただいて、本当にありがとうございます！ (2018年11月5日 18時) (レス) id: 41dca15b9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴子
| 作成日時：2018年9月8日 0時
