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静かな保健室に響くのは、私がシャーペンの先でプリントをコツコツつつく音と、松本先生がパソコンを叩く音。
パソコンを覗き込む、ちょっと丸くなった背中を、向こうから見られてないのをいいことに眺めてみる。
先生の背中は大きくは無いけど、小さくも無い。
ンンって小さく咳払いする声が聞こえて、シャーペンを握り直した。
「ねぇ、せんせ」
背中から視線を外し、プリントを見つめて呼び掛けた。
「んー？」
先生がこっちを向いたのが、音だけで伝わってくる。
「ここ、分かんない」
「ん、どこどこ」
立ち上がって、こっちに来る。
私の隣の椅子を引いて、身体をこっちに向けて、座る。
小さな机。
ほとんど無い、距離。
「これ、まず、単語で区切ってみよっか」
「……そっから分かんない」
「あらー、そりゃ大変だ」
本当に東大を出たのかな。ってくらい、松本先生はいつも私の質問に的確に答えてくれる。どの教科であっても。
「いい？ まず体言を探そう」
先生が身を乗り出した。
私の手元、シャーペンの先を指差して「まずこれでしょ」って線を引くように促す。
近い。
睫毛の音まで聞こえてきそう。
「せんせい」
声が掠れてて、ちょっとびっくりした。
慌てて咳払いをして誤魔化す。
「んー？」
「なんで、いっつも教えるのがうまいの？」
「うまい？ 良かった」
「ねぇ、なんで？」
「まぁ……これでも高校卒業して10年も経ってないしねぇ」
「私、1日で忘れるのに」
「アハハ、忘れないでよー。先生は昔から勉強、嫌いじゃなかったからね」
あ、そういえば、って先生の身体がちょっと離れる。
「井上さんも、勉強、好きでもないけど嫌いでもないって言ってたね」
……あんな前のこと、よく、覚えてるね。
「嫌いじゃないのはいいことだよ。好きじゃなくてもいいから、ちょっとずつ、続けてこう」
うん、と頷くのが、やっとだった。
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琴子(プロフ) - 橘花さん» ↓ (2018年9月3日 23時) (
レス) id: 41dca15b9a (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - あわわ！ 本物店員さんでしたか！！ やばいやばい何の知識も無しに書いたことがバレるぅ…(;゜0゜)！！笑 わぁ、ホントにそんなことあるんですね…！ 素敵！ ぜひぜひ、リアルコンビニの日常についてご指南戴きたいものです…笑 (2018年9月3日 23時) (レス) id: 41dca15b9a (このIDを非表示/違反報告)
橘花(プロフ) - わ〜すみません!!潤くんHBDも読ませていただきました！コンビニで働いてるので潤くんが来るのいつかな、とわくわくすることにします。二宮さんでも全然いいです！← たまーに常連さんがお菓子買ってくれたりしますよ♪現在の年齢でちょっと井上ちゃん…てなりますね。。 (2018年9月3日 13時) (レス) id: 2798c105f2 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - ゆりさん» 疲れてるのを隠してる店員さんに、常連さんが買ったお菓子を渡してあげる…っていう場面の妄想から膨らませてみました(*´艸`*) 私は店員さんやったことないからあまり無責任なことは言えませんが！笑 相手も生身の人間だってこと、忘れないでいきたいですね(^^) (2018年8月31日 23時) (レス) id: 41dca15b9a (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - 橘花さん» 松本先生の話読んで頂けたんですねー！ ありがとございます(*´艸`*) あれ、実は現在の年齢で考えると、上野先生は井上ちゃんよりひとつ年下…っていう設定になってるんですよﾉﾉ`∀´ﾙ 案外年の差は関係なかったようですが…2人とも幸せになってるからオールOKですね^^ (2018年8月31日 23時) (レス) id: 41dca15b9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴子
| 作成日時：2017年12月24日 17時
