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「…なんで泣いてんの」
『んんっ、れん、えかいたのに、びりってされた…へたくそって…』
「じゃあもう1回描けばいいじゃん、そこにノートあるだろ?」
でもでもって泣いている蓮
「あのさあ、いつまで泣いてても絵は元に戻らないの、わかる?さっさと新しいの描いて機嫌直せよ、泣かれても困るんだよ」
そう言うと、はぁい…と寂しそうに返事をして絵を描き始めた
午後仕事休んじゃったし今のうちに、とパソコンを働かせていると
くいっと服を引っ張られた
「ん、なに?」
『かいたよ!』
「よかったね」
『これ、ぱぱにあげる!』
蓮から渡された紙に描かれたのは
俺と手を繋ぐ蓮の絵
「…これ蓮?」
『そう!こっちぱぱ!おててつないでくれるの!』
抱っこするのは嫌だからせめてと思って繋いでいた手
それをそんな嬉しそうにしてくれるなんてな
『あとね、ぱぱにこにこのがかっこいいの!』
たしかに、絵の中の俺はにこにこと笑っていた
最近の俺はどうなんだろう、蓮の前で笑えてたのかな
「…蓮ありがと。」
『くふふっ、どーいたまして!』
家族の絵を破られて泣いたんだ、蓮は
そう思うと、なんだか自分が情けなくなってきて
「…よし」
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「蓮、おいで」
『ん!なーに?』
『んわぁー!んふ!』
「…生まれてきてくれてありがとな、今までごめん」
謝罪の意味を込めて力いっぱいに抱きしめた
久しぶりに抱きしめた温もりはすごく暖かくて
冷めきってた俺の心が少しずつ人間味を取り戻していく気がした
『ぱぱだーいすき!』
いつか、俺もって返せるようになれたらいいな
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リクエストありがとうございました!
すごく難しい内容なので、書けるか不安だったのですが…ご希望に添えたでしょうか
子供って残酷なくらい純粋だから翔太パパも苦しんでるんだろうし、蓮くんもパパが好きなことに変わりはないからなんだか…
書いてて苦しかったです笑
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作者名:ミトコンドリア | 作成日時:2021年10月13日 11時