ゆっくりと fkmm

親として ページ9

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それから宮舘先生からのアドバイスで、なるべく話しかけることと単語を意識させることを大切にしていくことに



無理に言わせずに、言ってくれるのを待つ。ってことで。



先生にもらった図版で単語を教える



｢蓮、パパと遊ぼ｣



練習とかお勉強って言葉はやめて、あくまでも遊びのつもりで



｢蓮、りんごどれ？｣


『ん！』


｢うん、それりんごね。じゃあわんわんどれ？｣



『ん〜…あっ、ん！』


｢お、すごい！それわんわんね。｣



ゆっくりゆっくり、ものの名前を覚えていく蓮



少しずつ成長してるんだなと嬉しくなる



『あーっ、あーあっ…』



｢ん？なに？｣



洗い物をしていると突然蓮にズボンを引っ張られた



オムツはさっき変えたし、ご飯も終わったし、まだ眠そうじゃないし



｢どうしたの？なーに？｣


『あ、あう…あ』



何かを伝えたいみたいだけど申し訳ないくらい何もわかんない



｢んー、なんだろ…｣



遊びたい！なのか、どっか痛い！なのか、それすらもわからなくてパニックになる



『ふぇ、う…』



とうとう泣き出してしまって慌てて抱き上げる



｢ごめん、蓮ごめんね、パパだめだめじゃん…｣



腕の中で涙を流し続ける蓮





｢ごめんな、蓮ごめん…｣




ソファに座ると目に入ったのは、先が包み紙で埋もれたクレヨン




｢蓮、これ？クレヨン？｣




『あーっ…』




ひくひくと鼻を鳴らしながら、それだと言うように頷く




｢これめくってほしかったのね、ごめん、気づけなくて｣



めくってやると嬉しそうに受け取った




『あっ！』


｢ふふ、お絵描きしよっか｣


自分の膝から降ろしてやるとお絵描き再開



一生懸命お絵描きする後ろ姿を見て、先程のことが頭に戻ってきて



子供の言いたいこと、わかってあげられないんだな



あんな必死に伝えてくれたのに1ミリもわかってあげられなかった



そんな後悔が俺の頭の中に広がった

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