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岩本照side
早く運命の相手の血を吸わないから昔の人間だった頃の記憶がよみがえってしまった。
佐久間に押されて水の中に入ってしまった後、たどたどしく目黒に受け答えするカレを見て
あ…記憶が戻り始めている。と確信した。
俺が吸血鬼なり始めの頃、まだ牙は生えていなかった。
俺には仲良しで同じ歳の友達がいた。
それが、阿部だった。
俺が吸血鬼になった訳…。それは、
阿部を守った結果失敗した。
俺が再び姿を現したとき、阿部は嬉しそうに抱きついてきた。
その瞬間、俺には牙が生えた。
しかし、血を吸わなかった。というよりは、吸えなかった。
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作者名：山田廉 | 作成日時：2021年6月13日 22時
