【ヒロアカ】私じゃ無理なの??2【爆豪勝己】 (ページ33)

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52話＊父の名ページ33

『と、言うと？』

「まぁ、すぐじゃないから考えておいてくれ」

そういってエンデヴァーは去っていった

つまり数年前に問題となった“個性婚”だろうか
轟君の半冷半燃の個性はそのことと関係があるのだろう

そろそろ二回戦が始まるので応援席に戻ろうかな
出久ももう戻っている頃だろうし

「氷室少女、待ってくれ」

その時オールマイトに声を掛けられ足をとめた

『なんですか、オールマイト』

「君の個性には見覚えがある、武彦君の娘さんなのかい？」

数年前に亡くなった父の名を久々に聞き、動揺が隠せない

『はい……』

そこから父のヒーロー界からの引退のわけ、私の過去などすべて話始めた

『小4の夏休みに初めて父の実家に行ったのがことの始まりでした。
そこで私は絶望を教えられました

父の名は楠木武彦

今は祖母が仕切っている名家楠木の二男。
ご先祖様の夢だかなんだか分からないけど、私を人柱に“世界を支配する”んだって

人柱にされる理由は簡単
私が最も濃く錬金術師の血を継いだから

昔、人の命をからある石を作られていたことが書物からわかった
それは確かに錬金術ではあるけど、絶対にしちゃいけない行為。

だけど祖母はその力を得ようとしてる

楠木家は名家でエリートヒーローを進出する、大手会社でもある

そのこともあってか父は出来損ないと言われ、周りから疎まれていた

でもね、私はお父さんの事とっても尊敬してる
いくら実に母親に罵られようが、いくら人から馬鹿にされようとも必死に何事にも一生懸命頑張っていた……

私が命なんて奪わなければ、きっと――

楠木家を去る一日前。

庭で個性を使いこなすための訓練をしていた時、
同じく夏休みで遊びに来ていた親戚の子に父を馬鹿にされたの。

私は我慢がならなかった

人一倍努力していて、誇りに思っている大切な人のことを侮辱されたから。

今思うと、その時私は個性を使わずに言葉で解決しておけば良かったのに
丁度練習をしていた錬成陣の書かれた手袋が目に止まって

その手をその子の方に向けた。

パチンッと指を鳴らせば摩擦による発火で炎を出せたから
その炎を無我夢中でその子に浴びせた

疲れて私が座り込むまで。

その子の方を見ると言葉が出なかった
父がその子を庇って全身やけどだらけだった

その怪我のせいで小学５年に上がる頃には亡くなってしまった…』