칠. デート ページ7
あれから何を話してどう帰ったのかよく覚えていない。
ただミョンホくんがきちんとアパートの前まで送り届けてくれたことだけは覚えている。
帰宅後すぐにウォヌに電話をかけて一通り説明すれば「良かったじゃん、あいつはいい奴だよ。ま、楽しんできたら」と要件だけ言って切られてしまった。
「…そういう意味で捉えていいんだよね?」
私も立派な大人だ。彼が冗談でデートに誘うような相手ではないことを理解している。
これは紛れもなくミョンホくんは私に好意を抱いてくれている。一体なぜ私のようなバツイチアラサーを気に入ったのかは分からない。
本人に聞ければ一番早いけど、そんなこと自分から聞けそうにない。
悩んでいる合間にデート当日を迎えてしまった。旦那以外の異性とのデートなんて何年振りだろうか。
「っごめんねミョンホくん!おまたせ!」
「おはようございます、Aヌナ。僕もいま来たところですから」
出発ギリギリまで服装や髪型、メイクに時間をかけていたなんて言えない。結局走ったせいで髪型は崩れるし汗もかいて初っ端から最悪だ。
「Aヌナ、今日は僕の為に可愛くしてくれたんですか?」
「え!?えっとまぁ………はい、そうです」
嬉しいです、とくすくす笑う彼はきっと確信犯だ。
私の方が年上なのに、もっと大人の余裕を見せなくては。
「それでは行きましょうか」
さらりと手を攫われ、ゆっくりと私の歩調に合わせて歩き出す。ここでポイントなのは恋人繋ぎだということだ。もしかしたら彼は恋愛マスターかもしれない。
「ここのカフェってたしか…」
「以前ヌナが行きたいって言っていたカフェです」
ミョンホくんは私の為に色々とプランを練ってくれていた。気になっていたカフェや行きたかった美術館、彼のおすすめの服屋さん。
デートってこんなにも楽しいんだ、とあの頃の男運が最悪だった辛くて苦い過去と比較した。
「"もしかしてミンハオ先輩?"」
凛、と鈴が転がるような中国語が唐突に目の前から聞こえた。
すらりとした長身、真っ白な肌にくっきりとした二重まぶた、ぽってりとした唇を備えた美女が私たちの前に現れた。
「"リンリン?どうして韓国に…"」
「"お久しぶりです!元気にしてましたか?"」
私も少しだけなら中国語は理解できる。リンリンと呼ばれた彼女は恐らくミョンホくんの後輩だろう。
…この子、絶対ミョンホくんのことが好きだ。
嫌な汗がじわりと額に滲む。長年培ってきた女の勘がそう告げていた。
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矢崎(プロフ) - ムルーアさん» ムルーア様、初めまして。コメントありがとうございます〜!!!甘め要素控えめですが、キュンキュンして頂けて良かったです(笑)Xのフォローもありがとうございます😊お話はまだ続きますので、引き続きお楽しみ下さい ❤︎ (3月30日 9時) (レス) @page15 id: 4e6327207d (このIDを非表示/違反報告)
ムルーア(プロフ) - 初めまして!めっちゃキュンキュンしました🥹🥹🥹Xもフォローさせて頂きました!素敵な作品ありがとうございます💕 (3月30日 9時) (レス) @page13 id: e97b81299d (このIDを非表示/違反報告)
矢崎(プロフ) - さくさくさん» さくさく様、ご愛読・コメントありがとうございます!!もしかしてX(旧Twitter)のアカウントでしょうか? @1__monmon__1 こちらをコピーしてもダメでしたか😭? URLで貼れるようにやってみます! (3月18日 21時) (レス) id: 54a4d2b70e (このIDを非表示/違反報告)
さくさく - 矢崎様、主人公視点でのお話完結おめでとうございます!!裏話楽しみにしています😊失礼ながらお聞きしたいのですが、アカウントを検索してみても矢崎様のアカウントらしきものが一つもなく、、、よろしければアカウントのURLを教えてもらえないでしょうか? (3月18日 19時) (レス) @page13 id: 8125d01b3c (このIDを非表示/違反報告)
矢崎(プロフ) - さくさくさん» さくさく様、コメントありがとうございます ❤︎ ランキングも有難いです😌ようやくハオちゃんを書き始めました〜!ずっと書きたい願望はあったので無事にお披露目できて嬉しいです!!さくさく様、我爱你✨💞✨ (2月25日 23時) (レス) id: 4e6327207d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:矢崎 | 作成日時:2024年2月25日 8時