사. 三十路 ページ4
案の定筋肉痛で苦しむ羽目になった翌日。しかも全身筋肉痛だ。たったあれだけの距離を走っただけなのに情けない。
「Aちゃんどうしたの?」
「あー…チェンさんおはようございます。ちょっと筋肉痛で…」
「ケンチャナ?これのめばなおるね!」
そう言ってチェンさんから渡されたのはコンビニで売っている二日酔いに効くドリンクだった。
「…これはチェンさんが飲んだ方がいいですよ。私は大丈夫ですから」
チェンさんのご厚意をやんわりと断る。彼は昨日あれほど飲んだというのに元気で羨ましい。
「チェンさん、ランチは気合い入れていきますよ」
「まかせてね!!!」
お昼になるとお店は一気に戦場となる。ランチタイムをいかに効率良くさばけるか。
オーダー、提供、キッチンの補助、レジ対応と目まぐるしい忙しさの中、ある単語がスッと耳元へ届く。
「ミョンホくんの噂、知ってる?」
ミョンホくんの噂?と手と足を動かしながら疑問に思った。そう口にしたのはオフィスカジュアルな服装を着こなした女性だった。
もしかしたらジュンフィやミョンホくん達と同じ会社の子かもしれない。
「どんな噂?」
「ミョンホくんが通ってるお店の店員さんに好意を寄せているって噂よ」
どうしよう、彼女達から詳しく話を聞きたい。バッシングをしながら再び彼女達の会話に耳を傾けた。
「その噂本当なの?ミョンホくんのことを狙ってる子たち結構いるよね?」
「同期の子がジュンさんとミョンホくんの会話を盗み聞きしたって言ってたから間違いないわよ」
私が言える立場ではないけど盗み聞きは良くない。だけどその噂が真実味を増してゆく。
「お店って言っても…この近くだと飲食店なんて何店舗あると思ってるの?」
「たしかこのお店もよく利用しているらしいけど………まぁ、ないわね」
一人の女性社員からの視線にすぐ私のことだと理解した。
「…ふふ、たしかに。ただのおばさんだしね」
聞き捨てならない、誰がただのおばさんだって?
私ってば今日に限ってどうしてノーメイクにしてきたのよ。かろうじて眉毛だけは描いてきたけどきっと汗で消えかかっている。
あんたらと歳なんて少ししか変わらないはずなのに、20代と30代の間には大きな壁を感じた。
正直言ってあの子たちに散々言われて悔しい。
私だって結婚する前は美人だと言われてたのよ。
「………ダイエットしようかな」
怒涛のランチタイムが過ぎて落ち着いてきた頃、お皿洗いをしながらそっと決意を固めた。
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矢崎(プロフ) - ムルーアさん» ムルーア様、初めまして。コメントありがとうございます〜!!!甘め要素控えめですが、キュンキュンして頂けて良かったです(笑)Xのフォローもありがとうございます😊お話はまだ続きますので、引き続きお楽しみ下さい ❤︎ (3月30日 9時) (レス) @page15 id: 4e6327207d (このIDを非表示/違反報告)
ムルーア(プロフ) - 初めまして!めっちゃキュンキュンしました🥹🥹🥹Xもフォローさせて頂きました!素敵な作品ありがとうございます💕 (3月30日 9時) (レス) @page13 id: e97b81299d (このIDを非表示/違反報告)
矢崎(プロフ) - さくさくさん» さくさく様、ご愛読・コメントありがとうございます!!もしかしてX(旧Twitter)のアカウントでしょうか? @1__monmon__1 こちらをコピーしてもダメでしたか😭? URLで貼れるようにやってみます! (3月18日 21時) (レス) id: 54a4d2b70e (このIDを非表示/違反報告)
さくさく - 矢崎様、主人公視点でのお話完結おめでとうございます!!裏話楽しみにしています😊失礼ながらお聞きしたいのですが、アカウントを検索してみても矢崎様のアカウントらしきものが一つもなく、、、よろしければアカウントのURLを教えてもらえないでしょうか? (3月18日 19時) (レス) @page13 id: 8125d01b3c (このIDを非表示/違反報告)
矢崎(プロフ) - さくさくさん» さくさく様、コメントありがとうございます ❤︎ ランキングも有難いです😌ようやくハオちゃんを書き始めました〜!ずっと書きたい願望はあったので無事にお披露目できて嬉しいです!!さくさく様、我爱你✨💞✨ (2月25日 23時) (レス) id: 4e6327207d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:矢崎 | 作成日時:2024年2月25日 8時