三. 傷心中 ページ16
Aヌナが離婚したと聞いてから、僕たちの関係は店員と常連客のまま特に何も進展せず1年過ぎようとしていた。
「チェンさーん、8卓のオーダーお願いしまーす！」
相変わらずヌナは忙しそうに店内を走り回っていた。その顔は以前よりも元気そうで安心した。
「ミンハオ？餃子食べないの？」
「…え？あぁ、食べますよ。ヒョン、全部食べないで下さいね」
結局Aヌナのことを慰められることも、励ますことも、側にいてあげることも出来ず、無情にも時間が解決してくれた。
僕はヌナにとってただの客に過ぎない。
「俺の娘もいま韓国に来ているんだ」
「そうなんですね、旅行で来ているんですか？」
「あぁ。見てくれ、俺の娘を！可愛いだろ〜？」
そんなとき新しくアルバイトで入ったゴンサンさんと仲良くなり、三人で故郷や世間話で盛り上がっていた。
「ゴンサンさん、寝ちゃいましたね」
「ぐっすりだね。あとで家まで送っていこうか」
飲み過ぎたゴンサンさんをジュニヒョンと送り届ける話になったとき、Aヌナが一人で送っていくと言い出す。
これは、チャンスだと思った。
「僕がヒョンを送っていきますよ。もう遅いですし女性一人では危ないです」
「お客様にそんなこと頼めないよ。それに私みたいなアラサーなんて誰も襲わないから」
ジュニヒョンの提案にAヌナは首を横に振る。そして自分を卑下して、誰も襲わないと高をくくっていた。
「Aヌナ、絶対ダメです」
そんな彼女の態度に激しく怒りを感じた。ヌナは何も分かっていない。自分がどれだけ魅力的で素敵な女性なのか。
僕がヌナについて熱弁すればヌナの顔が徐々に赤く染まる。その姿が可愛らしくて、先ほどまでの怒りがおさまってゆく。
「そうしたら僕がヒョンを送っていくからミンハオはヌナを送ってあげてね」
「わかりました。Aヌナ、それでいいですね？」
「………はい。よろしく、お願いします」
僕たちの提案に今度は素直に頷くヌナに思わず笑ってしまう。未だに真っ赤な顔のまま戸惑っている。本当に、かわいい人だ。
そのまま慌てて厨房へ戻るヌナの背中を見届ける。
「ミンハオ、良かったね」
「はい。今日こそは連絡先を聞き出します」
ヌナへ淡い想いを抱いてることをジュニヒョンは知っている。以前からヒョンには相談していて、とても心強い協力者だ。
Aヌナ、傷心中のあなたの心に踏み入ることをどうか許してください。
そうまでしても、あなたを振り向かせたい。
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矢崎(プロフ) - ムルーアさん» ムルーア様、初めまして。コメントありがとうございます〜！！！甘め要素控えめですが、キュンキュンして頂けて良かったです（笑）Xのフォローもありがとうございます😊お話はまだ続きますので、引き続きお楽しみ下さい ❤︎ (3月30日 9時) (
レス) @page15 id: 4e6327207d (このIDを非表示/違反報告)
ムルーア(プロフ) - 初めまして！めっちゃキュンキュンしました🥹🥹🥹Xもフォローさせて頂きました！素敵な作品ありがとうございます💕 (3月30日 9時) (レス) @page13 id: e97b81299d (このIDを非表示/違反報告)
矢崎(プロフ) - さくさくさん» さくさく様、ご愛読・コメントありがとうございます！！もしかしてＸ（旧Twitter）のアカウントでしょうか？ @1__monmon__1 こちらをコピーしてもダメでしたか😭？ URLで貼れるようにやってみます！ (3月18日 21時) (レス) id: 54a4d2b70e (このIDを非表示/違反報告)
さくさく - 矢崎様、主人公視点でのお話完結おめでとうございます!!裏話楽しみにしています😊失礼ながらお聞きしたいのですが、アカウントを検索してみても矢崎様のアカウントらしきものが一つもなく、、、よろしければアカウントのURLを教えてもらえないでしょうか？ (3月18日 19時) (レス) @page13 id: 8125d01b3c (このIDを非表示/違反報告)
矢崎(プロフ) - さくさくさん» さくさく様、コメントありがとうございます ❤︎ ランキングも有難いです😌ようやくハオちゃんを書き始めました〜！ずっと書きたい願望はあったので無事にお披露目できて嬉しいです！！さくさく様、我爱你✨💞✨ (2月25日 23時) (レス) id: 4e6327207d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：矢崎 | 作成日時：2024年2月25日 8時
