십이. 我爱你 ページ12
どくんどくん、と波打つ心臓は果たしてどっちの音だろう。ゆっくりと離れる体温に少しだけ寂しいと思ってしまった。
「…心臓が止まるかと思いました」
「え？」
ひんやりとした手が腫れた頬の熱を奪う。先程までじんじんと痛みを伴っていたのに彼に触れられた瞬間、不思議と痛みがおさまってゆく。
「もう少し早く駆けつけていれば…こんな怪我させなかったのに…」
今にも泣き出しそうな顔をする彼に心臓が引き裂かれるくらい苦しくなる。ミョンホくんは何も悪くない。だからそんな顔をしないで。
「そんなことないよ。ありがとう、助けてくれて。…ほんとうに、っありがとう…」
本当に嬉しかった。駆けつけてくれたことも、助けてくれたことも、抱き締めてくれたことも、全部、全部嬉しかった。
乾いた涙痕の上から再び一筋の涙がつたう。それを丁寧に彼が親指の腹で拭ってくれた。
「Aヌナ、これからもあなたの側であなたを守りたい。…僕では頼りないですか？」
そんなことはない。むしろ私には勿体無いくらい。だけど臆病な私が一歩踏み出せない。
「私は…バツイチで…アラサーで…とてもじゃないけどミョンホくんに釣り合う女じゃ…」
「それ、ヌナの悪い癖ですよ」
ぴしゃりと言い放つ彼に続くはずの言葉が途切れた。真剣な眼差しに思わず身構える。
「自分を卑下する癖やめてください。それ以上僕の好きな女性を悪く言わないでください」
怒っている口調なのに、叱られているはずなのにどうしても口元が緩んでしまう。そんなみっともない顔を見られたくなくて両手で顔面を覆う。
「…Aヌナ、こっちを見てください」
いとも簡単に両手を剥がされてしまい、隠せるものがなくなってしまう。熱を含んだ瞳で見つめられ、身体がぞくぞくした。
そのまま近付いてくるミョンホくんの綺麗な顔に堪え切れず目を瞑る。
ちゅっ、と可愛らしく音を立てた柔らかいものは私の額に優しく触れた。
唇に、されるかと思った。呆気に取られた私に対して彼はくすりと笑った。
「ここは治ってからたくさんしましょうね」
親指の腹で唇を優しく触れられる。意味を理解すると顔全体に熱が集まった。
「………ばか、」
そう口にすれば彼は満足げな顔をした。口内は未だ鉄の味がする。早く治したら、彼からの等身大の愛を受け止めたい。
そのあとに私の気持ちをしっかり伝えたい。
ミョンホくん、「
end
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矢崎(プロフ) - ムルーアさん» ムルーア様、初めまして。コメントありがとうございます〜！！！甘め要素控えめですが、キュンキュンして頂けて良かったです（笑）Xのフォローもありがとうございます😊お話はまだ続きますので、引き続きお楽しみ下さい ❤︎ (3月30日 9時) (
レス) @page15 id: 4e6327207d (このIDを非表示/違反報告)
ムルーア(プロフ) - 初めまして！めっちゃキュンキュンしました🥹🥹🥹Xもフォローさせて頂きました！素敵な作品ありがとうございます💕 (3月30日 9時) (レス) @page13 id: e97b81299d (このIDを非表示/違反報告)
矢崎(プロフ) - さくさくさん» さくさく様、ご愛読・コメントありがとうございます！！もしかしてＸ（旧Twitter）のアカウントでしょうか？ @1__monmon__1 こちらをコピーしてもダメでしたか😭？ URLで貼れるようにやってみます！ (3月18日 21時) (レス) id: 54a4d2b70e (このIDを非表示/違反報告)
さくさく - 矢崎様、主人公視点でのお話完結おめでとうございます!!裏話楽しみにしています😊失礼ながらお聞きしたいのですが、アカウントを検索してみても矢崎様のアカウントらしきものが一つもなく、、、よろしければアカウントのURLを教えてもらえないでしょうか？ (3月18日 19時) (レス) @page13 id: 8125d01b3c (このIDを非表示/違反報告)
矢崎(プロフ) - さくさくさん» さくさく様、コメントありがとうございます ❤︎ ランキングも有難いです😌ようやくハオちゃんを書き始めました〜！ずっと書きたい願望はあったので無事にお披露目できて嬉しいです！！さくさく様、我爱你✨💞✨ (2月25日 23時) (レス) id: 4e6327207d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：矢崎 | 作成日時：2024年2月25日 8時
