십일. 救世主 ページ11
ドカッ、と鈍い音が夜道に響く。どうやらクソ野郎が近くにあった電柱を思いっきり蹴った音だった。
「部外者が余計なことしてんじゃねーよ」
その様子は相当苛々していた。ヤツは一度スイッチが入ると歯止めが効かなくなる。このままではミョンホくんが危ない。
「っミョンホくん、にげ、て」
「…そういえばAヌナに言っていなかったことがあります」
ミョンホくんは私の前に立ち、その場で軽く手首や足首をまわす。まるで準備運動をしているかのようだ。
「武術を心得ていますので、一般人より
こちらを振り向かずに彼は言い放つ。まさかミョンホくんが武術を習っていたなんて聞いたことがなかった。きっと中国武術のことだろう。
細身な体のはずなのに、その背中はいつもより大きく逞しく見えた。だけど油断は出来ない。なぜなら元旦那はテコンドーを心得ているからだ。
「ハハッ、そんなひょろひょろな体で俺を倒せると思ってんの？ナメんなよ」
「…それはやってみないと分からないですよ」
お互いがゆっくりと構える。それぞれが違うスタイルの格闘技。刹那、夜道に静寂が訪れた。ごくりと固唾を呑む。
最初に動いたのは元旦那だった。独特なテコンドーのステップを踏みながら右足を高く上げた。容赦無くミョンホくんの顔面を狙った蹴りだった。
だけどミョンホくんはその蹴りを難なくするりと躱わす。その素早い身のこなしに思わず感心した。
「チッ、」
元旦那は舌打ちを吐きながら連続で蹴り技を繰り出す。だけどミョンホくんに当たることはなく、その蹴りは虚しく空を切った。
少しバランスを崩した元旦那の隙をミョンホくんは決して見逃さなかった。
まるで背中に羽が生えたかのように重力を感じさせず軽やかに舞い、細い足から想像出来ない鋭い蹴りが元旦那の顔面に直撃した。
「ぐ、は…っ！！」
苦痛な叫びと共に地面にひれ伏す元旦那がスローモーションに見えた。華麗に着地するミョンホくんはまるでカンフー映画に出てくるさながらあの人のようだった。
「す…すごい…」
まさかテコンドーの黒帯を持っていた元旦那をたった一発の蹴りで倒してしまうとは…。
少しだけ強いなんてとんだ謙遜だ。ミョンホくんはとんでもなく強いのだ。素人の私でさえも理解できた。
「…Aヌナ」
私の元へ歩み寄るミョンホくんとの距離がゼロになる。
彼に抱き締められているんだと気付くのにそう時間はかからなかった。
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矢崎(プロフ) - ムルーアさん» ムルーア様、初めまして。コメントありがとうございます〜！！！甘め要素控えめですが、キュンキュンして頂けて良かったです（笑）Xのフォローもありがとうございます😊お話はまだ続きますので、引き続きお楽しみ下さい ❤︎ (3月30日 9時) (
レス) @page15 id: 4e6327207d (このIDを非表示/違反報告)
ムルーア(プロフ) - 初めまして！めっちゃキュンキュンしました🥹🥹🥹Xもフォローさせて頂きました！素敵な作品ありがとうございます💕 (3月30日 9時) (レス) @page13 id: e97b81299d (このIDを非表示/違反報告)
矢崎(プロフ) - さくさくさん» さくさく様、ご愛読・コメントありがとうございます！！もしかしてＸ（旧Twitter）のアカウントでしょうか？ @1__monmon__1 こちらをコピーしてもダメでしたか😭？ URLで貼れるようにやってみます！ (3月18日 21時) (レス) id: 54a4d2b70e (このIDを非表示/違反報告)
さくさく - 矢崎様、主人公視点でのお話完結おめでとうございます!!裏話楽しみにしています😊失礼ながらお聞きしたいのですが、アカウントを検索してみても矢崎様のアカウントらしきものが一つもなく、、、よろしければアカウントのURLを教えてもらえないでしょうか？ (3月18日 19時) (レス) @page13 id: 8125d01b3c (このIDを非表示/違反報告)
矢崎(プロフ) - さくさくさん» さくさく様、コメントありがとうございます ❤︎ ランキングも有難いです😌ようやくハオちゃんを書き始めました〜！ずっと書きたい願望はあったので無事にお披露目できて嬉しいです！！さくさく様、我爱你✨💞✨ (2月25日 23時) (レス) id: 4e6327207d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：矢崎 | 作成日時：2024年2月25日 8時
