이. 無自覚 ページ2
ミョンホくんは一見クールな雰囲気だけど、その見た目と反してふわりと可愛らしく笑う人なのだ。
ジュンフィとミョンホくんが揃えば、そこは癒し空間となる。私はそんな彼らを陰ながら見守ることに生き甲斐を感じていた。
まさに彼らは私にとって目の保養である。
「"ミンハオはどこ出身なの?"」
「"遼寧省海城市です"」
「"えっ!?俺と一緒じゃないか同士よ〜!!"」
「"ゴンサンさん、飲み過ぎですよ"」
二人が来てからしばらく経った頃、先に仕事をあがったはずのチェンさんはジュンフィとミョンホくんと同じ席でお酒を
「チェンさんったら二人が来てくれてよっぽど嬉しかったんだね」
酔っ払ってしまったチェンさんを横目に三人分のお冷をテーブルに置く。彼らは眠り落ちたチェンさんに優しい眼差しを送っていた。
「私がチェンさんを送っていくから、二人は気にせずに帰ってね」
彼の住んでいるアパートはお店の近くにある為、女一人でも酔っ払いを抱えて行ける距離だ。
「僕がヒョンを送っていきますよ。もう遅いですし女性一人では危ないです」
「お客様にそんなこと頼めないよ。それに私みたいなアラサーなんて誰も襲わないから」
自分で言っておきながら悲しくなる。私があと5歳若くて可愛ければ、素直にジュンフィの言葉を受け取っていたかもしれない。
「Aヌナ、絶対にダメです」
勝手に意気消沈していた私にミョンホくんがぴしゃりと言い放つ。いつもの穏やかな雰囲気はなく、怖いくらい視線も鋭い。
「ヌナは魅力的で素敵な女性だということを自覚してください。ヌナとヒョンにはいつもお世話になってます。僕たちはただの常連客ですけど頼ってください、ね?」
分かっている、これがお世辞だということを。きちんと頭では理解している。だけど胸がざわざわするこの感覚をとうの昔に置いてきたはずだ。
「そうしたら僕がヒョンを送っていくからミンハオはヌナを送ってあげてね」
「わかりました。Aヌナ、それでいいですね?」
「…は、はい。よろしく、お願いします」
ぎこちなく敬語で返事してしまった私に対してミョンホくんはふわりと笑った。
今日って化粧ポーチを持ってきていたかな。帰る前に化粧を直す時間はあるかな。そんな下心を考えているなんて彼は知らないだろう。
「ヌナの仕事が終わるまで待っていますね」
この胸の高鳴りはきっと気のせいだ。彼が私みたいな女なんて眼中にない。必死に自分にそう言い聞かせた。
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矢崎(プロフ) - ムルーアさん» ムルーア様、初めまして。コメントありがとうございます〜!!!甘め要素控えめですが、キュンキュンして頂けて良かったです(笑)Xのフォローもありがとうございます😊お話はまだ続きますので、引き続きお楽しみ下さい ❤︎ (3月30日 9時) (レス) @page15 id: 4e6327207d (このIDを非表示/違反報告)
ムルーア(プロフ) - 初めまして!めっちゃキュンキュンしました🥹🥹🥹Xもフォローさせて頂きました!素敵な作品ありがとうございます💕 (3月30日 9時) (レス) @page13 id: e97b81299d (このIDを非表示/違反報告)
矢崎(プロフ) - さくさくさん» さくさく様、ご愛読・コメントありがとうございます!!もしかしてX(旧Twitter)のアカウントでしょうか? @1__monmon__1 こちらをコピーしてもダメでしたか😭? URLで貼れるようにやってみます! (3月18日 21時) (レス) id: 54a4d2b70e (このIDを非表示/違反報告)
さくさく - 矢崎様、主人公視点でのお話完結おめでとうございます!!裏話楽しみにしています😊失礼ながらお聞きしたいのですが、アカウントを検索してみても矢崎様のアカウントらしきものが一つもなく、、、よろしければアカウントのURLを教えてもらえないでしょうか? (3月18日 19時) (レス) @page13 id: 8125d01b3c (このIDを非表示/違反報告)
矢崎(プロフ) - さくさくさん» さくさく様、コメントありがとうございます ❤︎ ランキングも有難いです😌ようやくハオちゃんを書き始めました〜!ずっと書きたい願望はあったので無事にお披露目できて嬉しいです!!さくさく様、我爱你✨💞✨ (2月25日 23時) (レス) id: 4e6327207d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:矢崎 | 作成日時:2024年2月25日 8時