ヤンデレ乙女ゲームのヒロインに成り代わったけど。【鬼滅の刃】

「冨岡義勇」 ページ14

.


「……そう言えば水柱さんはどちらへ??」


ピクリ、と彼の片眉が動いたのは気のせいだろうか。否そうだと思いたい。嫌な予感がするし、此奴の殺り方で絶対に殺されたくない。というか殺人以前に死にたくない。


「あの……」

え…


ハイライトの無い目。目は口ほどに物を言う。と言うけれど、本当にその通りだった。

欲の塊の様な瞳が画面越しでは伝わらなかったが、今はヒトヒトと感じる。


「(……あ、上がってる)」



それと共にお馴染みのヤンデレメーターもグングンと上がって行のを私は見逃さなかった。




「…………何かあったか…。」



「…いえ、別に…」


鳥肌がぞわりと背筋を伝った。

餡蜜を食べていない方の片手を握られる。傍から見たら私達は恋人のように見えるのかな…


冨岡義勇の瞳は柔らかく細められていて。

その生暖かい手が、冨岡義勇の温度が何よりも怖かった。

ゲームな癖に"生きている"って言うことを実感させられる。


「…A……」

「…あっ、あのすいませんっ…ご馳走様でしたっ」


握られた手を振り切って、ガタリと勢い良く椅子を引いて立ち上がる。音がたち客の視線が此方に向こうが今は関係ない。私にとってそれ程にピンチだった。

唖然としている冨岡義勇に目を合わせずに、餡蜜のお代も払わないで店を飛び出した。


「(胡蝶さんの所に行こうっ)」


彼奴は、彼奴の瞳は可愛いと私を愛でながら肩に爪を押し込んで来た彼の目に"そっくり"だった




「…愛いな」


・


◤非公開にしていた筈のお話が出てました。すいません。なので少し内容変更しました。前に見た内容と少し違う？って思ったらそのせいです。すいません！

「絶体絶命」→←「冨岡義勇」

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す