ヤンデレ乙女ゲームのヒロインに成り代わったけど。【鬼滅の刃】

「冨岡義勇」 ページ13

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継子になると師範の屋敷でお世話になるケースが多いらしくそれを恐れた私に、後々胡蝶さんが煉獄杏寿郎の屋敷に住むのが嫌だったら蝶屋敷に住むといい。と言ってくれ、その御言葉に甘える事にした。

本来のシナリオとは違うけど私は自分の命の方が可愛いから、助かるなら何だってさせてもらう。

そして嫌々煉獄杏寿郎の屋敷へ向かう途中、助かるためならなんだってする。と言っていた私だが、現在私はとある人に絡まれていた。




「………Aと言うのか。」


「…まぁ、はい。そうですけど」





ストーカー型 冨岡義勇

攻略対象の1人であり、ヒロインの使った私物を集めたり着いて行ったり典型的なストーカーである。因みに此奴のバッドエンドはかなり猟奇的で、ヒロインを解体してコレクションとして収めるという"あたおか"なものである。

もう心臓はバクンバクンで選択肢を間違える訳には行かないという緊張感に襲われ、冷や汗も尋常じゃ無い。


そして出会った事の経由は至って簡単。煉獄杏寿郎の屋敷へ行く途中小腹が空いたから甘味処へ行った。それが冨岡義勇との出会いイベントだった事をすっかり忘れて甘味を楽しんで居たという私のしくじりからだった。

己、空腹。私の腹の減りまでゲーム通りにプログラムされてるとは。

出来ることなら時間を巻き戻して回避したい。胡蝶さんの暖かさに揉まれ過ぎて頭がふわふわしてたみたいだ。

隣の席に座る冨岡義勇と目が合い、逸らすように餡蜜を口に入れる。



「………美味いか」


じっ、と視線を感じて食べていた餡蜜を食べる手を止めた。そう聞かれ頷かずには居られずこくりと頷けば、冨岡義勇はムフフと口角を上げた。相手が笑ってると言えどこの沈黙はとても居ずらい。

ポコンっと2つのコマンドが出てきた。


▼ 話し掛ける

▼ 帰る。

この時ばかりはコマンドに感謝だ。ナイスと思いながらコマンドを選択した。

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