camarade (ページ17)

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始まりの挨拶ページ17

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猪『そう言えば優斗ってAの事俺らよりも全然早くに呼び捨てで呼んでたけどいつから呼び捨てなの？』

優『えーとね、入所して割と直ぐだったはず』

「割と直ぐに後輩にタメと呼び捨てで呼ばれました！」

優『それ俺が悪いみたいじゃん！Aがそれでいいって言ったじゃん！』

「まあ私優斗の時のオーディションいたからその縁もあって」

作『オーディションにいたからってその距離感に直ぐいけた優斗が凄いよ』

優斗と初めて会ったのは優斗のオーディション会場で。

たまたま東京に仕事で滞在してた私にジャニーさんが『You暇なら来てよ』なんて言われて行った。

そこにはまだ初々しさが残る子達が沢山いて。

まだ小さかった私よりも年上の人の方が多かったが、同い年位の子も沢山いて少し嬉しくなったのを覚えている。

振付師さんと一緒に前に並んでフリを見せたり分からないって声かけられたら教えたりなんて特に変わったこともせずに過ごしていた。

そんな中1人だけ違う動きで目立っている男の子がいた。

悪目立ちではなくて、アイドルとして目立っていくには大事な他の人との違いみたいな感じで。

ダンスは苦手そうやけどそんな彼に未来を感じてボーッと見てると目が合った。

『Aちゃん』

「え？」

『うっす』

「…え？」

ジャニーさんに声をかけたのも有名だけど私にもThe陽キャみたいな挨拶をしていたのが優斗。

年下と言っても初対面の先輩にこんな挨拶する？！って思ったけどジャニーさんに誰かいい人いた？って言われた時に真っ先に言ったのは優斗だ。

勿論ジャニーさんも目をつけていたみたいで『You見る目あるね』なんて言われた。

数ヶ月後事務所に行ったら入ったばかりの優斗達が挨拶をしてきて。

「あ、君オーディション中チャラい挨拶してきた」

優『覚えてくれてるんですか？！高橋優斗です！優斗って呼んでもらえたら！』

「あ、どうも。全然歳下なんでタメ口でいいですよ」

優『ほんと？！じゃあ、タメで！Aちゃん！』

グイグイ来る優斗にやられていつの間にか連絡先を交換していたしいつの間にか優斗が私のちゃん付けもなくなっていた。

あの一瞬の挨拶から今の関係にまで繋がっている。

「最初は優斗の勢いにやられて関わりたくない！って思っとったけど」

優『ひど！！でもそんな俺も好きでしょ？』

「だーいすき」

優『感情なんも籠ってねえじゃん』