嫌いな君に口づけを…

嫌い 18 ページ20

蓮見君が、泣いていた…?私は恐る恐る自分の頬に触れる…頬には自分の物ではない水がついていた。

A「……蓮見君…」

それが彼の目から流れた涙だと気づくのに、時間はかからなかった…私が泣かせてしまったんだ…彼を…

A「…っ……」

私が彼を苦しめた…私が彼をあんなに辛い表情にさせてしまった、頭を抱えてその場に座り込む。

彼のあの顔が、脳裏に焼きついて離れない…今まで溜め込んでいた何かが全部溢れてしまったかのようだった…

透『…っ…ごめん…』

切なく哀しい声…そうだ、酷い言葉を言われると辛いのは私だって良く分かっていたはず…なのに私は…何度蓮見君に酷い言葉を言っただろうか。

A「…私の場合、只の…八つ当たりだ…」

自分が過去に辛い思いをしたから、逆に相手にも…自分以上に辛い思いを味合わせてやる…蓮見君に再び会ったあの時、私が決めた事だった

だけど、そんな事したって…何も意味がなかった…蓮見君は私が幾ら酷い言葉を言っても私に優しくしてくれた、さっきだって本来なら私が謝らなきゃいけないのに…謝ったのは彼の方…

A「…っ…ごめん、なさい…蓮見君…ごめんなさい…」

悪いのは彼じゃない…1番悪いのは、私なんだ…誰も居ない教室で私は声を上げて泣いた。

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