極道二十八 ページ31
.
奇数であるこの１年A組は、必然と一人が余ってしまう。本来ならば定員数通りになるはずだったが、例年より今年は才能あるものが集まったと言うべきだろうか。
『よしなに』
「おう！よろしくな。」
「よろしくね！龍宝さん！」
そして彼女は3人チームを組むことになった。
チームメイトは尾白猿尾、葉隠透。Aは2人の個性を詳しく知らない。それ故に彼等の個性を把握すべきだ。個性を聞く上で、いや人に尋ねる上で礼儀と笑顔は大切になってくる。
『私たちの相手は焦凍さんと障子さんです。ですので、お二人の個性を知っておきたいのですが…。よろしいでしょうか？』
優しくそう質問され各々が個性を説明する。それに、彼女が頷く。そしていい案が思いついたように話す。
それはどうしても2人の助けがいる作戦だ。
『私の個性につきましては…実際にご覧になられた方が早いのです…ですが一言で申し上げるならば…強いという自信は有ります。』
「頼もしい…！それじゃ、尾白くん！龍宝さん！作戦通りね！」
「おう！任せろ！」
頼もしい、その言葉は彼女に自信を付けさせる。実際に自信があるのだから当たり前だが、2人の団結が必要なこの作戦…何よりも2人の言葉が確信へと変えていく。
何の心配などない。
『…負けませんわ。』
「俺もだ。」
互いに対決する。
それは火花を散らして見えた。
Aは強張った顔をやんわりと崩し微笑みを轟に見せた。ふふっと微笑むその姿は緊張が解けたようにも見える。
『今対立する必要はありません…彼等を見届けましょう？』
「あ…あぁ、そうだな。」
余りにも綺麗で、目の前がチカチカとして見えた。俺は隣にいるAの存在を感じながらモニターに視線を移した。
…このままAを見てたら変になっちまうって思ったから…。
どこかモヤっとした気持ちを心の隅に追いやって、騒がしい周りの声を拾い上げる。
『麗日さん、頑張って下さいな…。』
「うんっ！任せて！！」
心配そうに送り出す。
控えめな手を振るその仕草や、寂しそうなその表情が何故か胸の中を掻きむしって行くんだ。
俺はこんな気持ち知らねぇ。苦しいのに、苦しくないこれは一体何なんだろう。
「分かんねぇ…。」
.
終わり
ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←極道二十七
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1245人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
亜純(プロフ) - 最高です！続きがとても気になります！更新頑張ってください!! (2018年9月12日 21時) (
レス) id: 430739def7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - いつも楽しんで読ませてもらってます！！更新頑張ってください (2018年9月8日 9時) (レス) id: a5de77afb3 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクの死骸(プロフ) - アヤさん» ウェンディー…可愛いですよね。ロリっ子で（（（殴。本当に好きなのはルーシィーなんですけどね（）懐かしいですよね笑笑久々に漫画を読み返したくなります笑笑 (2018年8月17日 20時) (レス) id: 5a6969804a (このIDを非表示/違反報告)
ミルクの死骸(プロフ) - しあ。さん» その通りです！夢主ちゃんの個性はフェアリーテイルを参考にモデルとして使ってます！！丸パクリだとなんかアレかな…って思ったので作者なりに変化をつけてるつもりです（（ (2018年8月17日 20時) (レス) id: 5a6969804a (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 作者さんもしやウェンディー好きなんですか？フェアリーテイルから引用かなー、とつい。懐かしいです。 (2018年8月17日 20時) (レス) id: 16b8101627 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミルクの死骸 x他1人 | 作成日時：2018年8月7日 10時
