極道二十二 ページ25
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動く車体の中、私は大きな溜息をついた。横をチラ見すれば嬉しそうに笑って、終いには鼻歌を歌って楽しげな犬。
『犬、貴方どうして雄英に？』
「え、お嬢と一緒に居たかったから！」
当たり前だろうっと豪語する犬は本当に馬鹿だと思った。銀の髪が夕日に色付けされて綺麗で、思わず怒ることを忘れてしまいそうになる。
……もっと、問い質せば良かった。
受験生となったあの時、どの学校に行くのか教えなかった彼を強く聞けばこんな事にはならなかった…後悔しても何もならないが、この子は私に依存してる。
この依存はいつか己自身もそして私自身を駄目にする。それは望まない結果。
『普通科なの…？』
「はい！俺、ヒーロー科を受けたんだけど筆記で落とされました！なので普通科です！」
『…ばか。』
ヒーロー科に居ないだけ良いのか…もう何とも言えなくて私は溜息をもう一つ吐くことになるのだ。本当に今日は大変な日だ。
嬉しそうに、お嬢を連語する彼は可愛らしいのか憎たらしいのか分かったものじゃない。
『……犬、こうなった事は仕方ないでしょう。もう諦めるわ、けど罰は与えます。』
内緒で入学したのもそうだが、さっきの焦凍さんにとった態度は褒められたものではない、寧ろ叱るべき行動だった。
きっと反省させなければ繰り返すだろう。
だから罰を与えて自覚してもらわなければならない。このままでは一生、依存体質は直らない。正さなければ、この子の心を…。
「え、っと何ですか？」
『貴方に親しい友が出来るまで、私に話しかけること、私に関わることを禁じます。」
「え…え、え……！！！」
『……。』
「お嬢？お嬢、お嬢…嘘だよね、ねっ！？」
目を白黒させて、思考が追いつかない犬は瞳を段々と潤させていく。ここで折れてはならない。話しかけられても全て無視。
泣きそうな声が耳の横で聞こえる。嫌だとそう言う犬に私は何も答えず、窓越しから外の景色を眺めたのだ。
酷なことだとは理解してる。理解してるからこそ、この現状は無くさなければならない。
この子は私に依存することに生き甲斐を感じているのだから…。
……私が死んだら犬蓼は独りぼっちになってしまう。それは望まないから、分かって欲しい。
これは互いのためでもあるのだ。そう心を鬼にし、私は犬を突き放したのだ。
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亜純(プロフ) - 最高です！続きがとても気になります！更新頑張ってください!! (2018年9月12日 21時) (
レス) id: 430739def7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - いつも楽しんで読ませてもらってます！！更新頑張ってください (2018年9月8日 9時) (レス) id: a5de77afb3 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクの死骸(プロフ) - アヤさん» ウェンディー…可愛いですよね。ロリっ子で（（（殴。本当に好きなのはルーシィーなんですけどね（）懐かしいですよね笑笑久々に漫画を読み返したくなります笑笑 (2018年8月17日 20時) (レス) id: 5a6969804a (このIDを非表示/違反報告)
ミルクの死骸(プロフ) - しあ。さん» その通りです！夢主ちゃんの個性はフェアリーテイルを参考にモデルとして使ってます！！丸パクリだとなんかアレかな…って思ったので作者なりに変化をつけてるつもりです（（ (2018年8月17日 20時) (レス) id: 5a6969804a (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 作者さんもしやウェンディー好きなんですか？フェアリーテイルから引用かなー、とつい。懐かしいです。 (2018年8月17日 20時) (レス) id: 16b8101627 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミルクの死骸 x他1人 | 作成日時：2018年8月7日 10時
