女軍人さん6 ページ8
雰囲気漂う内装で、落ち着いている印象を受けた。
この店は軍御用達の店らしく信用度が非常に高い。予め予約しておいた個室は広く細かい飾りまで完璧な部屋だ。
『こうして2人で休日を共にできるのも久し振りだな。』
「あぁ、そうだな。そりゃあ一度に少佐2人に休まれちゃあ上官の方々もうかうかしては居れんだろう。」
『……そんな少佐2人に休みを被らせて5日もだぞ?今回は相当覚悟が必要だ、な。』
2人は苦笑いをする他なかった。
上官の人間は気を利かせて休みをやった用にしているが、要は今回の仕事は相当危険なもので、いつ死ぬか分からない。この5日間は別れるかもしれない愛しているもの同士の弔いと、言ったところだろう。
きっと過酷なものになる。失敗すれば我々が死ぬだけでは済まない、ドイツが、いや世界中が滅亡してしまう。
それは、背負うには大き過ぎる。
『なぁ、ルドル…。』
「何だ…?」
微かに声が震えているのは気のせいだと思いたい。彼女は彼の手と手を重ねた。俯き顔を合わせないが、その手から感じるのは暖かい彼女の温度。
『…あぁ、何でもない。大丈夫だ。大丈夫だから、手を握ってくれないか…?』
「…どうした、今日はやけに積極的じゃあないか。
」
そう言いながらも、彼は優しく彼女のを絡め取り握り締める。震えているのか、指先が微かに揺れている。
冷徹、女王、冷静沈着、鉄仮面、最強、最恐、そう言われ続けている彼女だが普通の女性なのだ。
普通にお洒落し、恋人を愛し、そしてまた何かに恐怖する…普通の女性なのだと彼は改めて実感させられた。
ただ、彼女は生まれが特殊だっただけ。ただそれだけで軍の犬になり、今では命を懸けている。そして肩を震わせている。
「……なぁ、A。
いつにするか、話していなかったが
今回の件が片付いたら結婚しないか…?」
『…………本当に、私でいいのか?
…私の家系は代々軍の犬にならなければならない。その宿命にある。
私の他にアーレンス家の血を流す者はいない。お前には私の籍に入って貰う事になる、し…。
そうなればお前は本当に軍からは逃げる事は出来ない…。
__それでも、私のような馬鹿な女を本気で貰ってくれますかっ…!』
_Lass uns heiraten!
(俺と結婚しよう!)
_Sicherlich erfreut!
(もちろん喜んで!)
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リルカ(プロフ) - ありがとうございます!心に染みました・・・。今回は肩甲骨と肋骨2本の骨折で済んだのでたぶん大丈夫です。肺にキズいったのが苦しいですが早く治します!(更新ありがとうございます!これからもよろしくお願いいたします!) (2018年1月8日 22時) (レス) id: 2a1fc58100 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクの死骸(プロフ) - リルカさん» 夢主ちゃんは日々の努力を積み重ねて最強と言われるようになりました…。でもこれはあくまで物語の中なのでリルカ様は無理をなさらず休養を取ってくださいね!お怪我を早く治してください! (2018年1月8日 22時) (レス) id: 5a6969804a (このIDを非表示/違反報告)
リルカ(プロフ) - 返信ありがとうございます!長刀と長槍の実戦試験はクリアしましたが、乗馬槍の試験で相手を倒した時にはずみで落馬して現在病院です(笑)周りは皆男なのでいつか夢主のように最強よ呼ばれるように頑張ります・・・。 (2018年1月7日 16時) (レス) id: 329c9acc1f (このIDを非表示/違反報告)
ミルクの死骸(プロフ) - リルカさん» おめでとうございます!おぉ、とても大忙しいんですね…!読み返して下さるなんてありがとうございます!更新…遅いですが読者の方々の為に頑張っていきますね!笑 (2018年1月6日 23時) (レス) id: 5a6969804a (このIDを非表示/違反報告)
リルカ(プロフ) - 返信ありがとうございます!無事短剣と短槍の試験を突破しました!明日は長刀と長槍、乗馬槍の試験があるので小説を読み返したいと思います・・・。更新よろしくお願いいたします! (2018年1月6日 20時) (レス) id: 329c9acc1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミルクの死骸 | 作成日時:2017年11月29日 21時