女軍人さん29 ページ33
久しぶりだな、みんな。
皆んなが大好きな新米一等兵Aだぜ。
今まで長期の休みをもらって、街で女の子達とウハウハと遊び溜め込んでた全財産を注ぎ込んだ馬鹿な俺をどうか笑ってくれ。
そう、俺の懐事情は寒い。寒くて凍えちゃう。好きなジャンクフードも買えやしねぇーよ!
アンナちゃんには金が無いって分かったら振られちまうしいい事ねぇー!チキショー!
こうなったら軍で死ぬ気で働いてあんなクソ女よりもっとイイ女囲ってやるからなぁー!!
「おい、行くぞ。」
「おう。」
…ま、こうでもしねーと戻って来れねぇーよ。
今回、新米一等兵Aと…そうだな俺のことを呼んだ望遠鏡を首から下げてるちょっと体格のよくて赤毛かかったコイツのことはストーカー一歩手前の覗き魔とでも呼ぼうか。
コイツと俺は、新米兵士でありながらその実績を讃えられて今回の極秘任務に就くことになった。
それは、いつ命を絶つか分からないもので…出来れば関わりたく無いのが心からの叫びたげど、逃げれないのが現状だ。
『束の間の休暇はどうだった?思い残すことはないだろうな。』
どこか、虚ろげに話しかけて来たのは我らが少佐だった。
振り向き、二人して吃りながらも敬礼して敬意を彼女に向けるのだ。
「俺は何も思い残すことはありません!」
「わ、私も、今回の任務を遂行するため全力で…っ!」
なぁーにが、私だっての…!少佐の前だからって硬くなりすぎだぜ、ストーカー!しかも最後噛んでるし…大丈夫かよ。
だけど、正解だと思っていたこの回答は不正解だったようだ。
少佐は少し悲しそうにしながらこう言うのだ。
『馬鹿者達め。いいか、戦場で生きる活力になるのは残して来た煩悩だぞ。
なんでもいい、今ここで言え。
何もない奴は真っ先に死ぬぞ。』
その言葉はやけに重くて、俺は思わず息をのんで少佐に聞いてしまった。
「あの、少佐にも煩悩とか…あるんすか?」
あ、やべ何、言ってんだ。
声に出した言葉はもう元には戻らない。俺は冷や汗をかきながらアーレンス・A少佐を見るしかなかった。
その日のことを俺達は一生忘れないだろう。
幸せそうに、微笑んで
そう、言うなら
普通の女の人みたいに笑う
彼女は綺麗で
『私の煩悩は、ルドルと教会で永遠を誓うことだ。』
胸が苦しくなった。
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リルカ(プロフ) - ありがとうございます!心に染みました・・・。今回は肩甲骨と肋骨2本の骨折で済んだのでたぶん大丈夫です。肺にキズいったのが苦しいですが早く治します!(更新ありがとうございます!これからもよろしくお願いいたします!) (2018年1月8日 22時) (レス) id: 2a1fc58100 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクの死骸(プロフ) - リルカさん» 夢主ちゃんは日々の努力を積み重ねて最強と言われるようになりました…。でもこれはあくまで物語の中なのでリルカ様は無理をなさらず休養を取ってくださいね!お怪我を早く治してください! (2018年1月8日 22時) (レス) id: 5a6969804a (このIDを非表示/違反報告)
リルカ(プロフ) - 返信ありがとうございます!長刀と長槍の実戦試験はクリアしましたが、乗馬槍の試験で相手を倒した時にはずみで落馬して現在病院です(笑)周りは皆男なのでいつか夢主のように最強よ呼ばれるように頑張ります・・・。 (2018年1月7日 16時) (レス) id: 329c9acc1f (このIDを非表示/違反報告)
ミルクの死骸(プロフ) - リルカさん» おめでとうございます!おぉ、とても大忙しいんですね…!読み返して下さるなんてありがとうございます!更新…遅いですが読者の方々の為に頑張っていきますね!笑 (2018年1月6日 23時) (レス) id: 5a6969804a (このIDを非表示/違反報告)
リルカ(プロフ) - 返信ありがとうございます!無事短剣と短槍の試験を突破しました!明日は長刀と長槍、乗馬槍の試験があるので小説を読み返したいと思います・・・。更新よろしくお願いいたします! (2018年1月6日 20時) (レス) id: 329c9acc1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミルクの死骸 | 作成日時:2017年11月29日 21時