女軍人さん22 ページ25
Aが眠りについて数時間後。
「……。」
ルドル・フォン・シュトロハイムは一人自室で彼女の仕事を片付けていた。そして彼女の仕事量の多さに絶句していた。
(何だ、この量は…ありえんぞ!こんな下請けまで…ッ!嫌がらせにも程がある!
Aはこんな状況の中、こんな量を毎日こなしていたのか?身体を壊して無理ない…っ!)
嫌がらせとして、本来彼女が見るべきじゃあない仕事まで回されていた。少佐である彼女が持つべきじゃない無理難題な物から新兵が持つような報告書まである。
これを毎日、欠かさず、しかもそれに加えて人を殺めなければならず自分自身を追い込んでいる。
彼女の負担は大きい。
結局、シュトロハイムが彼女の仕事を終えたのは今日の日付を超えた時だった。もう夜だ。
(これは何とかしないと、な…。)
これ以上、彼女に必要以上の労働を課させる訳にはいけない。何とかして上官と取り入り仕事量を減量しなければ彼女は倒れてしまう。
「…Aは寝ているだろうが、様子を見に行くか。」
彼女のことが心配になった彼は、自室を後にし長い廊下の先を歩いた。
鍵を掛けられたAの部屋。シュトロハイムは鍵穴に渡されていた合鍵を使って中に入った。
(…珍しいな、何時もなら鍵穴に鍵を挿し込んだ時点で気付いて起きるのだが、寝ている。)
か細い寝息を立てる恋人。
ベットの端に腰を下ろして恋人の頬に手を伸ばす。ゆっくりと撫でるその肌は柔らかくてスベスベとしていた。
顔にかかる髪の毛をソッと耳にかけて彼女の顔を見る。
とても疲れた表情で、今は眠っている。
『ん、ぅ…ん……。ル、ドル?』
「…すまない、起こしたか。」
もぞりと布団の中で動いて、まだ眠たそうにシュトロハイムの顔を見て頬に触れている彼の手を恋しそうに手で包んだ。
『…ルドル、ん。』
「…おいおい、どうしたァァやけに積極的じゃあないかァァ…!」
『……今日は、なんだか…人肌が恋しいんだ。
お願い…ルドル。今夜は私の隣で寝てくれないか。』
彼は思った
何だその可愛いお強請りは!!っと
きっと彼女は寝惚けている。そんな事は承知の上で、彼はシャワーにも浴びずに上着だけを脱ぎ
恋人をその腕に抱いてやる
すると安心したように眠る恋人に
彼は眠れない夜を過ごすことになったのだった。
(俺のフィアンセが世界一可愛いィィ!)
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リルカ(プロフ) - ありがとうございます!心に染みました・・・。今回は肩甲骨と肋骨2本の骨折で済んだのでたぶん大丈夫です。肺にキズいったのが苦しいですが早く治します!(更新ありがとうございます!これからもよろしくお願いいたします!) (2018年1月8日 22時) (レス) id: 2a1fc58100 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクの死骸(プロフ) - リルカさん» 夢主ちゃんは日々の努力を積み重ねて最強と言われるようになりました…。でもこれはあくまで物語の中なのでリルカ様は無理をなさらず休養を取ってくださいね!お怪我を早く治してください! (2018年1月8日 22時) (レス) id: 5a6969804a (このIDを非表示/違反報告)
リルカ(プロフ) - 返信ありがとうございます!長刀と長槍の実戦試験はクリアしましたが、乗馬槍の試験で相手を倒した時にはずみで落馬して現在病院です(笑)周りは皆男なのでいつか夢主のように最強よ呼ばれるように頑張ります・・・。 (2018年1月7日 16時) (レス) id: 329c9acc1f (このIDを非表示/違反報告)
ミルクの死骸(プロフ) - リルカさん» おめでとうございます!おぉ、とても大忙しいんですね…!読み返して下さるなんてありがとうございます!更新…遅いですが読者の方々の為に頑張っていきますね!笑 (2018年1月6日 23時) (レス) id: 5a6969804a (このIDを非表示/違反報告)
リルカ(プロフ) - 返信ありがとうございます!無事短剣と短槍の試験を突破しました!明日は長刀と長槍、乗馬槍の試験があるので小説を読み返したいと思います・・・。更新よろしくお願いいたします! (2018年1月6日 20時) (レス) id: 329c9acc1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミルクの死骸 | 作成日時:2017年11月29日 21時