女軍人さん13 ページ15
これは許されるべき行為ではない。
アーレンス・Aには心に決めた男がいる。彼女はそれこそ他人の前では口外しないがルドル・フォン・シュトロハイムを確かに心から愛している。
それはきっと愛を語るシェイクスピアさえも悶絶する程の愛だ。素直になれず、皆の前では口に出せない大きな愛情。
それは、明らかにこの男と違う物。
「私とキミは吊り合うと思わんかね…?私ならキミの家を継いでやれる。私なら地位も安泰だ!それに、こんなにもキミを愛してる…!
ふふっ、あぁキミは本当に綺麗だ。この艶やかな髪もその透き通る肌も、宝石のような瞳も…全てが美しいね。」
目の前の人間の…いや、男の欲望を爆発させて彼女に押し付ける。血走る目玉に、荒立つ息遣い…伝わる熱全てが気持ち悪い、拒絶する。
それと反復するように愛する恋人への想いが膨れ上がる。それは蓋をしている感情の瓶の蓋を突き破り吹き荒れるように、荒々しく漏れる。その愛情に溺れて窒息してしまいそうだ。
『やめてください、私は…貴方を愛していません!
私が唯一愛を囁きこの身を心を捧げるなら、貴方ではないッ!!
愛しているのはルドル・フォン・シュトロハイム、ただ一人だけなのです!
貴方のお気持ちに、答えることは出来ません…ッ!』
彼以外に彼の事を愛している事を、こんなにも強く訴えた事などない。
二人の時さえ恥ずかしくて、口にできなくて、口にしただけで胸が一杯になり幸せになる。
確かに彼女は誇り高きドイツ軍人。ドイツ兵は国に尽くしそれまた故に上の者には逆らうべきではない。
そんなことは十分に理解している。
分かっている。
だが、身体を許すというのは事と兵士とは別の話だ。
彼女は女性だ。女性である彼女が身体を許すのは心に決めた彼だけだ。それを酷い妄想に囚われているこんなパッとしない男に、晒してたまるか!そう彼女は心の中で叫ぶ。
「キミは、私に逆らうのかね!この軍に居場所が無くなるぞ!!」
その言葉に、彼女は思わずほくそ笑む。
それは余りにも綺麗で思わず見惚れてしまいそうになるほどに
『私に居場所がなくなる…?ふふっ、あははっ!ご冗談を!
仮に、私が今!貴殿に反逆し殺されたとしよう。私が死んだ後釜は誰がするのです?誰が、この軍の最強を名乗るのですか!
そうなれば、私を深く溺愛して下さる閣下は貴殿に激怒するのでしょうね…!』
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リルカ(プロフ) - ありがとうございます!心に染みました・・・。今回は肩甲骨と肋骨2本の骨折で済んだのでたぶん大丈夫です。肺にキズいったのが苦しいですが早く治します!(更新ありがとうございます!これからもよろしくお願いいたします!) (2018年1月8日 22時) (レス) id: 2a1fc58100 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクの死骸(プロフ) - リルカさん» 夢主ちゃんは日々の努力を積み重ねて最強と言われるようになりました…。でもこれはあくまで物語の中なのでリルカ様は無理をなさらず休養を取ってくださいね!お怪我を早く治してください! (2018年1月8日 22時) (レス) id: 5a6969804a (このIDを非表示/違反報告)
リルカ(プロフ) - 返信ありがとうございます!長刀と長槍の実戦試験はクリアしましたが、乗馬槍の試験で相手を倒した時にはずみで落馬して現在病院です(笑)周りは皆男なのでいつか夢主のように最強よ呼ばれるように頑張ります・・・。 (2018年1月7日 16時) (レス) id: 329c9acc1f (このIDを非表示/違反報告)
ミルクの死骸(プロフ) - リルカさん» おめでとうございます!おぉ、とても大忙しいんですね…!読み返して下さるなんてありがとうございます!更新…遅いですが読者の方々の為に頑張っていきますね!笑 (2018年1月6日 23時) (レス) id: 5a6969804a (このIDを非表示/違反報告)
リルカ(プロフ) - 返信ありがとうございます!無事短剣と短槍の試験を突破しました!明日は長刀と長槍、乗馬槍の試験があるので小説を読み返したいと思います・・・。更新よろしくお願いいたします! (2018年1月6日 20時) (レス) id: 329c9acc1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミルクの死骸 | 作成日時:2017年11月29日 21時