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『失礼します…』
「また来たのか、お前」
『…はい。あ、これ皆さんで食べてください』
もう行き慣れた病室には、見慣れた顔がいる。
あの時泣きじゃくるハニをジスくん達に預け、救急車を呼んでボロボロになった不良くん達を病院へと運んで貰った。
「お前こんなに頻繁に俺らの見舞い来てユンジョンハン怒んねぇの？」
『…実は言ってないんですよね…』
「は？大丈夫なのかよそれ」
ボコボコに殴られた不良くん達は思ったより怪我が酷くて今は入院2週間目に突入中。
ハニには内緒で足繁くお見舞いに来ては、彼らの回復状況を確認しないといても立ってもいられない。
そもそもあの日以降ハニにあまり会ってない。
ハニがまだ忙しいのもあるけど、あの日見たハニをほんの少し怖いと思ってしまって、どんな顔をして会えばいいのか分からない。
「俺が言える義理じゃねぇけどさ、ちゃんと話し合えよ？人の気持ちなんざほんの少しの事で拗れるんだからよ」
不良くん達のリーダー格であるこのジオさんは私を見て困ったように笑った。
生粋の兄貴肌らしい彼は、私があれからハニと上手く話せてないことも気づいてるんだろう。
少しずつ回復してる彼らと少し話してから私はまた1人、とぼとぼと歩く。
これからどうすればいいのか。
どうするって…何も変わらないのは分かってるけど、こうやってハニから逃げ続けちゃいけない。
それは分かってるけど…けど…
JH「A」
『…ハニ』
JH「ごめん、どうしても話したくて来ちゃった」
私の家の前で座っていたハニは私の知ってるハニだった。
金髪を風に靡かせて綺麗に微笑む彼を見たら、また私は分からなくなる。
分からなくなってしまうんだよ。
『…えっと…』
今日は自転車で来たらしいハニは自転車の荷台部分をポンポンと叩いた。
家に荷物を置いてからそっと荷台に腰掛けると、ゆっくりと自転車は進み出す。
夕暮れ時、オレンジでもない黒でもない紫がかったそんな空を背景に街並みが消えていく。
ハニも私も喋らない。
見慣れた背中が少し寂しそうなのに、いつものように抱きつけなくてバレないようにキュッとハニの服の裾を握る。
私は知っている。
弱くて優しくて笑顔が可愛くてカッコよくて、いつも嬉しそうに私の名前を呼んでくれる天使を。
私は知らない。
残忍で目に光を宿してなくて暴力的であんなに人を殴るハニを。
だから私は、そんな彼を知っていかなくちゃならない。
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すい(プロフ) - ワバー手練でさん» お返事遅くなってしまいましたごめんなさい！そう言っていただけて嬉しいです(泣)ありがとうございます(；；) (2022年10月11日 14時) (
レス) id: 153a5cc26b (このIDを非表示/違反報告)
ワバー手練で(プロフ) - 読み入っちゃって一気に読んじゃいました＞ ̫＜ 本当に面白いですㅠ-ㅠ (2022年8月19日 22時) (レス) @page39 id: 39c16bc362 (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - apricot384さん» お待たせ致しました(泣)待っていてくださりありがとうございます！またよろしくお願いします！(^^) (2022年5月20日 18時) (レス) @page30 id: 52a215b46f (このIDを非表示/違反報告)
apricot384(プロフ) - 再開ありがとうございます！おかえりなさい꙳★*ﾟ楽しんで読ましていただきます。無理せずでいいので更新よろしくお願いします！ (2022年5月10日 22時) (レス) id: 5c0405314d (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - apricot384さん» コメントありがとうございます！そんなに楽しみにしてくださってありがとうございます(^^)♡励みになります！頑張ります！ (2022年2月26日 0時) (レス) id: 52a215b46f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すい
| 作者ホームページ：http://twitter.com/sui_no_heya
作成日時：2021年9月10日 22時
