朝露 ページ9
幸せって何だろう。
人間はみんな幸せを追い求めて生きていくと思うけど、きっと今幸せを目掛けて動いてる現在こそが真の幸せなのではないかと思う。
なんて理屈っぽいことを並べてる私も、悪足掻きも良いとこで今目の前で眠っているこの天使との幸せな未来を願ってしまうんだ。
乱れているフワフワの髪を整えるように撫でると、ゆっくりとまるで画家が描いた綺麗な天使が目を覚ますように、彼はゆっくりと目蓋を上げた。
『ごめん、起こした?』
JH「ん」
寝惚けているのか、寝起き特有のぼんやりとした顔付きをした後、私の手に擦り付けるように頬を寄せた。
一連の仕草全てが絵になる天使は、こうして撫でられるのを好む。
JH「Aの匂いしたから目覚めた」
『すごい嗅覚だね』
JH「ね〜」
ふにゃりと笑うハニが愛おしさでたまらなくなる。これが世間で言うところの“母性本能”ってやつか……
この天使、年上の顔もチラつかせながら年下の私にも上手く甘えるから本当にズルい人だ。
そんな私も彼を甘やかすのが好きなんだけども。
JH「体調大丈夫?」
『うん、大丈夫。元気!』
JH「可愛い」
今度は私の頬を撫でて愛おしそうな目つきで甘い言葉を述べる天使に、一気に顔に熱が集まる。
そんな私を面白がるように何度も「可愛い」と言っては段々と意地悪く笑う天使なのに、何度も何度も言われても照れてしまう芋な自分が憎い。
『面白がって可愛いって言うのやめてよ!私言われ慣れてないから反応が芋になるんだってば!』
JH「当たり前じゃん、Aのこと可愛いって言ってきた男全員潰すよ」
可愛らしい顔でそう述べる彼だけど、自惚れでもなんでもなく彼のこの発言は本気だと分かってるから余計恐ろしい。
この天使の愛の重さに前までは戸惑っていたのに、今では少し心地良いんだ。
『分かったから潰すのはやめようね』
JH「なんで?だって俺が他の女にカッコイイって言われてたらムカつくでしょ?それと一緒」
『複雑ではあるけどムカつきはしないよ。実際カッコイイし…誇らしさもある』
JH「ダメ、ムカついて」
なんてこった。彼はもう私の心の在り方さえも彼の手中に収めたいらしい。
唇を尖らせて拗ねている天使は、この顔をすればまた私が彼の思うように動くと分かってるんだろうな。
『はいはい。ハニが他の女の子に褒められてたら嫉妬します』
本音も少し混ぜた私の言葉に満足そうに微笑む天使はやっぱり賢い。
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うい(プロフ) - 更新待ってます、! (4月11日 22時) (レス) id: b4144fdbab (このIDを非表示/違反報告)
犬こそ正義(プロフ) - ↓癒し係〜のお話です! (4月11日 20時) (レス) @page17 id: 3d5654d2e4 (このIDを非表示/違反報告)
犬こそ正義(プロフ) - 作品一気読みしてます!!家政婦の話、続き読みたいのでぜひパスワード教えてください。。😭 (4月11日 20時) (レス) id: 3d5654d2e4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - この作品の世界観が私は大好きです!更新お待ちしております! (4月3日 21時) (レス) id: 2f9e5d75fb (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - ソヒさん» コメントありがとうございます^^夢小説というサイト?アプリ?は存じ上げず、この作品も占ツクでしか連載をしておりませんので恐らく違う方だと思います…֊ ̫ ֊՞ ՞ (3月20日 10時) (レス) id: 153a5cc26b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すい | 作者ホームページ:http://twitter.com/sui_no_heya
作成日時:2023年5月2日 16時