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寝顔くらいブスだったら許せるのに、この天使は寝顔さえも絵になってしまう。
ほんの少し目元に浮かんでいるクマは、昔よりは薄くなったけどやっぱりまだ少し心配になってしまう。
私は本当にこの人の癒しになれてるのかな、と心配はしてみるもののやっぱり分からない。
『……好き』
いつもは照れてしまってハッキリ言えない言葉は、寝てる天使相手だとすんなり出てくる。
どうしようもなく愛おしいこの気持ちの吐きどころが分からなくて、自分で約束した“1週間キス禁止”を破って、吸い込まれるように白くて柔い頬に唇を落とす。
1週間キス禁止と言ったのは私だけど、私だって別にしたくないわけではないんだ。
早く明日になって欲しい
ギュッと天使に抱きついてみると、指先は冷たい彼の体はほっこりと温かくて安心感に包まれる。
ずっとこうしてたい。この前は子どもが欲しいとは言ったけど、あと少しだけはこうしてハニを独り占めしていたいのだ。
この天使からの愛を独占してしまいたい。
寝てるからいいや、ともう一度起き上がって今度は唇にキスをしようとした瞬間パチっと開く天使の目。
唇まであと数センチ。状況が理解できなくて固まる私とニヤニヤと意地悪く笑う天使。
JH「1週間禁止って言ったのAなのに」
『……なっ!?いつから起きてたのっ』
JH「ん?俺目瞑ってただけで寝てないけど?」
『最悪』
最悪だ本当に。勝ち誇ったように笑っているハニ。
散々顔を撫で回して見つめた後に『好き』なんて言ってしまった。本人に聞かれてたなんて恥ずかしすぎる。
JH「何?俺が寝たから寂しくなったの?」
悪戯に微笑む天使は、今この瞬間だけはこの上なく悪魔のように見えた。
『お願いだから忘れて。記憶消して』
JH「やだね」
耳裏を撫でるように触れ、耳たぶを丸く撫でるハニの指。
いつもキスをする前の合図と言っても過言ではない行為に、まるで期待をするかのように胸が鳴る。
ハニ本人は耳裏を撫でる癖に気づいてるのかは知らないけど、恐らく今ハニも耳が赤くなってるから照れてるんだろう。
今なら少し……ほんの少しだけ素直になれるかもしれない。
『……この1週間私だってキツかった』
JH「……本当無意識って怖い」
真っ赤であろう私の顔を見て微笑んだ後「俺の負けでいいよ」なんて言って1週間ぶりに唇が重なった。結局私も天使に流されるのが好きなんだ。
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うい(プロフ) - 更新待ってます、! (4月11日 22時) (レス) id: b4144fdbab (このIDを非表示/違反報告)
犬こそ正義(プロフ) - ↓癒し係〜のお話です! (4月11日 20時) (レス) @page17 id: 3d5654d2e4 (このIDを非表示/違反報告)
犬こそ正義(プロフ) - 作品一気読みしてます!!家政婦の話、続き読みたいのでぜひパスワード教えてください。。😭 (4月11日 20時) (レス) id: 3d5654d2e4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - この作品の世界観が私は大好きです!更新お待ちしております! (4月3日 21時) (レス) id: 2f9e5d75fb (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - ソヒさん» コメントありがとうございます^^夢小説というサイト?アプリ?は存じ上げず、この作品も占ツクでしか連載をしておりませんので恐らく違う方だと思います…֊ ̫ ֊՞ ՞ (3月20日 10時) (レス) id: 153a5cc26b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すい | 作者ホームページ:http://twitter.com/sui_no_heya
作成日時:2023年5月2日 16時