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人が集まって来たから熱帯魚のコーナーから出て屋外の方に向かうと、陽の光に一気に照らされたせいか少し眩しくて目がチカチカした。
JH「かわいい……あ〜可愛い……可愛い……」
陽の光に目を細める私の横で可愛いbotになってしまってるハニの声が聞こえた。
視線を横に移すと、丁度ペンギンのお散歩時間だったらしく列を生して健気に歩くペンギンたちを動画に収めながら「動物なのに偉い」と珍しく褒めちぎっていた。
『ハニペンギン好きなの?』
JH「可愛いのが好き」
なるほど、やっぱり魚は可愛くないんだな。
可愛い物以外は自動的にハニの視界センサーから外れるらしく、あんなに魚に目もくれていなかったのにペンギンの事は親のような優しい目で見守っていた。
JH「ペンギンって赤ちゃんみたい」
『あ〜確かに…ペンギン見てるハニの目、お父さんみたい』
JH「俺子ども好きだからね」
愛おしそうにペンギンを見つめるハニをこの場にいる家族連れのお母様やその娘さん、他のカップルの彼女が神々しい物を見るように見ていることは気づいてるのだろうか。
私は見慣れてしまったから、今は見てるだけだと特段トキめいたりはしないけど、やっぱりハニは天使そのもの、ってくらい綺麗。
JH「子ども欲しくなってきた」
『そうだね』
JH「Aも子ども欲しい?」
『うん、いつかは欲しいよ。でも私痛いの嫌いだから大丈夫かな……まぁその時は旦那さんと相談だよね』
目の前を通り過ぎるペンギンに手を振る。
なんだかこんな人生設計のような話をするのは照れくさくてたまらないんだ。
JH「旦那さんじゃなくて俺」
『え?』
JH「俺と結婚するんでしょ」
自信無さげに繋がれた手は少し冷たかった。
イジけたように私を見つめる目はいつもより子どもっぽくて、それがまた愛おしくて頬が緩んでしまう。
『うん、そうだね』
JH「キスしたい」
『…は!?』
近づいてくる美の暴力と言っても過言では無い端正な顔。何かのスイッチが入ってしまったのか、迫り来る顔のおデコを渾身の力で押し返してやった。
全く何を考えてるんだこの天使は。ここは2人きりでもなければ、小さいお子さんもまだ沢山いると言うのに…
JH「いった〜っ……」
『自業自得だからね。1週間はキス禁止』
JH「無理」
世界の終わりとでも言いたげなハニの手を引いて、カワウソコーナーに向かったけど「キス禁止……」をブツブツ呟き続ける天使に私も周りも引いていた。
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うい(プロフ) - 更新待ってます、! (4月11日 22時) (レス) id: b4144fdbab (このIDを非表示/違反報告)
犬こそ正義(プロフ) - ↓癒し係〜のお話です! (4月11日 20時) (レス) @page17 id: 3d5654d2e4 (このIDを非表示/違反報告)
犬こそ正義(プロフ) - 作品一気読みしてます!!家政婦の話、続き読みたいのでぜひパスワード教えてください。。😭 (4月11日 20時) (レス) id: 3d5654d2e4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - この作品の世界観が私は大好きです!更新お待ちしております! (4月3日 21時) (レス) id: 2f9e5d75fb (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - ソヒさん» コメントありがとうございます^^夢小説というサイト?アプリ?は存じ上げず、この作品も占ツクでしか連載をしておりませんので恐らく違う方だと思います…֊ ̫ ֊՞ ՞ (3月20日 10時) (レス) id: 153a5cc26b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すい | 作者ホームページ:http://twitter.com/sui_no_heya
作成日時:2023年5月2日 16時