甘さを含んで ページ39
言われた通り、頭に浮かぶ？マークに支配されながら目の前の空になったレモネードのコップを見つめ、もう一杯飲もうかな、なんて思っていると向かいの席にドスッと誰かが腰掛けた。
コップから視線を上げれば、今1番会いたくない彼が怒っているような目で私を見ていた。
JH「ここで何してんの」
『…え…お…あ…』
あまりの驚きに言葉にならない意味の無い声がぽろぽろと漏れる。
いつもなら「何言ってんだよ」と笑う彼も、流石に今は強い視線を送りながらピクリとも笑わなかった。
JH「探したんだけど」
『なんで…』
JH「答えろよ。急に泣いたかと思えばこんな所でジュース飲んで何してんのって」
少し息切れて、額には汗が滲んでいる。
走って私を探してくれていたのかもなんて考えると、申し訳ない気持ちが生まれてしまう。
ごちゃごちゃで自分さえも分からないこの気持ちが鬱陶しい。
その癖彼に会うと一気に甘味が増すこの気持ちが面倒で愛しくて本当に嫌になる。
強い視線と口調のくせに優しく私の頭を撫でるハニの手がズルくてズルくて仕方ない。
JH「まぁ、無事でよかった」
そう言って彼は立ち上がったかと思えば、なぜか私の座っている隣にドカッと座った。
いや2人掛けのソファーだけど、4人掛けのボックス席で隣同士座るのはおかしい。
『いや、ここに2人で座るのはおかしい』
JH「また逃げられたら困る」
至極当然のように彼はメニュー表から顔を上げもせずそう告げた。
『…逃げないから恥ずかしいし席戻って』
JH「無理。面倒」
『じゃあ私があっち行くからどいて』
JH「立つの面倒」
カチンと来たから、テーブルの下から潜って移動しようとすれば彼は嫌味なほど長い足で上手く私の行く手を阻む。
『足退けて』
JH「やだ」
なんだこのクソガキ
JH「りんごジュースとオレンジジュースで」
しかも勝手に注文してるし
頭をぶつけないように慎重に起き上がろうとするも、私の体は留まった。
ハニが机の下を覗き込んで私とまたバッチリ視線を合わせたから。
JH「机の下から出たい？」
『え、うん』
流石に高校生にもなって机の下に潜るのが趣味なわけもないし、体が硬い私には姿勢がキツすぎる。
JH「じゃあ答えて。さっきなんで泣いてたの？」
作戦成功した子どものように、私を見下ろす彼は悪戯に微笑んだ。
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あんぱんまん(プロフ) - 間違えて1番左の星を押してしまったことをお詫びします(இдஇ`｡) (2022年8月30日 9時) (
レス) @page49 id: 9d9411b7d4 (このIDを非表示/違反報告)
RINKA(プロフ) - こちらこそよろしくお願いします！ (2021年9月10日 22時) (レス) id: c21e96cbb4 (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - RINKAさん» いつも読んでくださり、本当にありがとうございます！こちらこそ読んでいただき、本当にありがとうございます！これからもよろしくお願いします(^^) (2021年9月10日 21時) (レス) id: 52a215b46f (このIDを非表示/違反報告)
RINKA(プロフ) - おめでとうございます。すいさんのお話がとても好きで、いつも読ませて頂いております。いつも素敵な小説ありがとうございます。更新頑張って下さい。楽しみにしています。 (2021年9月8日 18時) (レス) id: c21e96cbb4 (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - うどんさん» コメ主様のその姿を想像して1人でニマニマしてる作者です(ニヤニヤ)嬉しいお言葉ありがとうございます！頑張ります(^^) (2021年8月15日 18時) (レス) id: 52a215b46f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すい
| 作者ホームページ：http://twitter.com/sui_no_heya
作成日時：2021年7月28日 9時
