十七 ページ17
信号で止まった時、ミンギュに話しかける。
『ねぇなんで飛ばすの？なんか用事あるの？』
MG「…まぁ…ちょっと危ないから」
何だそれ。
聞き返そうとしたけどやめた。
ミンギュの横顔が言ってる。"これ以上は聞くな"って。
と、その時
MG「ちっ…」
家へ帰る道を塞ぐ無数のバイク。
見たことのない制服を纏った人達がまるで待ち構えていたかのようにその場に居たのだ。
バイクを止めざるをえなくなり、近くの駐車場にバイクを止めた。
ミンギュは私を隠すようにして、自分が着ていたブレザーを私に着せた。
MG「A、いい？これ絶対脱ぐなよ」
『お、おう』
MG「あと、隙を見てあそこのコンビニの中入って。俺が良いって言うまで絶対そこに居て。誰にもついて行くな」
『分かった…』
普段のおちゃらけた雰囲気は微塵も無かった。
それだけで分かる。きっと今、とても緊迫した空気なこと。
そして私はきっと今、ミンギュの足手まといになってしまうという事。
MG「俺が前を向くと同時に走ってコンビニ逃げ…」
ドカッ
サッと血の気が引いた。
倒れて来たのはミンギュの体。
『…っ』
ニヤニヤと笑う男の人の手には金属バット。
ミンギュはヨロヨロと立ち上がり、「行け」とだけ言った。
どうしよう…
こんなミンギュ放って私だけ逃げるなんて…
でもここに私が居たら足手まとい。
バイクから飛び降りて、とりあえずコンビニ目掛けて足を動かす。
ずり落ちそうなブレザーを引っ張り上げ、走る。
後ろから聞こえる足音に恐怖が蘇る。
ミンギュは大丈夫だろうか。
とりあえずあのコンビニに入ってスンチョリオッパとウォヌに電話して…あと…あとは…
グイッ
『ゔっ…』
コンビニが見えた途端、私の髪がグイッと引っ張られる。
そのまま引きずられ、知らない男に手を拘束された。
「…へぇ…お前、ミンギュの女？」
怖い…
目の光を失った男が私の顎をグイッと持ち上げた。
「なぁ、ミンギュの女なの？お嬢さん」
恐怖で涙が出そうなのを堪え、精一杯睨み返すも男はただ鼻で笑うだけだった。
ガクガクと膝が震え出す。
情けない、彼らに関わる以上こうなる事を予測してなかった訳じゃないのに。
「まぁ、いいや。何でも」
『離して』
「やだね」
男は不敵にそう笑った瞬間、ドサッという音が聞こえた。
音の方を見ると、頭から血を流したミンギュが倒れていた。
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すい(プロフ) - ふくわモチモチさん» 遅くなってごめんなさい！！ありがとうございます！(＾＾) (2021年4月17日 1時) (
レス) id: 52a215b46f (このIDを非表示/違反報告)
ふくわモチモチ - 楽しみにしてます！がんばってください！ (2021年2月27日 23時) (レス) id: 66ebc3e84f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すい
| 作者ホームページ：http://twitter.com/sui_no_heya
作成日時：2021年2月24日 19時
