53 光のある世界 ページ17
敦君が困ってるから、と引き剥がそうとする前に独歩さんが帰ってきてくれた。
案の定、太宰を見るなり怒り出す彼に苦笑を浮かべる。
太宰は私から離れ、独歩さんと話し出す中、私は昨日の事を思い出していた。
昨日の同時刻、私は護衛である獄寺とクロームの2人を連れて、武装探偵社に来たのだ。
乱歩さんに頼まれていたお菓子も勿論忘れずに持ってきた。
その際に社長より依頼ではなく"誘われた"のだ。
「A、今は、何処に所属している」
「ファミリーから脱退する様命じられ、今は何処にも所属していません。」
それが何か?と首をかしげれば福沢さんはじ、とこちらを見据えた。
その目に思わず背筋を正してしまう。
一体どんな依頼を頼まれるのであろうか、と思ったら
「なら、武装探偵社へ入らないか」
まさかの勧誘だったのである。
「何でも屋として探偵社で働くのではなく、社員としてここで働いてほしい」
私は二つ返事で承諾した。
ティモ爺から、お父様からは
『ボスとしてお前を処罰しなければならないためにファミリーからの脱退を命じるが…。
また日本に行けば、"彼ら"からスカウトされるであろう。出来ることなら受けずに…目の届く所に、何かあった時お前を守れる所にいて欲しい。』
と言われていた。
ごめんなさいね、ティモ爺。
きっと裏社会にいればこの力で人を殺させばならない時が、どんなに避けてもきっと来てしまう。
守る為に、誰かを殺させばならない時が来てしまう。
なら、私は、光のある世界で…
いつの日か、織田作之助が、彼に言ったように、人を救う側で、この力でを使いたいのだ。
だから、社長の話を受けた。
ポートマフィアからも同じ様に勧誘されている。
入社試験も本日パスした。また後日、断りに行かねば…。あとそれから、契約書も回収しないと。
嗚呼、胃が痛い。
なんて考えていれば独歩さんが心配そうにこちらを見ていた。
「大丈夫か?顔色が悪いぞ」
「ええ、大丈夫です。少し考え事をしていました。」
それより次の仕事を、と言えば丁寧に書類の書き方を教えてくれる独歩さん。
彼が、彼らが、社長より極秘に任務を受けているとは知らずに、その時の私は今までとは違う報告書と格闘していた。
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さにー☆彡(プロフ) - 霧島沙羅さん» そんな昔のものまで見てくださるとは……! 嬉しいです!! こちらこそ楽しんでかけました、ありがとうございました!!これからも応援しております! (2018年7月1日 23時) (レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
霧島沙羅(プロフ) - さにー☆彡さん» もちろんです!必ず読ませていただきます!ワンピの夢も面白そうでしたし全力で読ませて頂きますね!ありがとうございます!大切に保管し、使用させて頂きますね、本当にありがとうございました! (2018年7月1日 23時) (レス) id: d11fd893a6 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - 霧島沙羅さん» はい! もし良ければご覧になって頂けると嬉しいななんて← ありがとうございます!! こんなイラストで良ければ、ぜひ好きなようにお使い下さい!! (2018年7月1日 22時) (レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
霧島沙羅(プロフ) - さにー☆彡さん» そうだったんですね!こちらこそありがとうございます!拝見させて頂きました!どちらも可愛くて語彙力が消えていく..!どちらも紹介させて頂いてもよろしいでしょうか?!私だけ知っているのが勿体なくて、皆様にもさにー☆彡様の素敵なイラストを見て頂きたいのです! (2018年7月1日 22時) (レス) id: d11fd893a6 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - 霧島沙羅さん» ほんとに描いてて楽しかったです! 私も一作品文スト×REBORN書いたので、もうテンション上がってしまいまして← ありがとうございました!! (2018年6月29日 20時) (レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霧島沙羅 | 作成日時:2018年3月4日 20時