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49 賑やかな朝 ページ13

『おはよー』

扉を開けると私達以外のメンバーは揃っており、次々と挨拶が帰ってくる。

『あら、私の席、用意してくれてあるのね』

私の言葉にしん、と静まり返った。

兄から向かって右側の席、何かあった時兄がすぐ守れるように、と用意した場所。
それが、私の席なのだ。

向かいはスクアーロで、隣はマーモン。

いつもの食事の乱闘にも巻き込まれず、平和に食べれる場所でもあった。

沈黙を破ったのはスクアーロ。

『あたりめぇだろがァ…俺らは何時までも待ってんだよ、Aがヴァリアーに戻ってくるのをなァ!』
『そうだよ、僕なんてベルとかけてるんだからね』
『ししっどっちも帰ってくるにかけてっから意味ねぇけどな♪』
『…帰ってこれぬ理由は、我々も分かっている。Aさえ良ければボスの秘書として戻ってきて欲しい』
『レヴィ…』

ありがとう、と言えばぽっと頬を染めるレヴィにみんなが次々と暴言を浴びせる。
思わず苦笑していれば、フリフリがついた白いエプロンをつけたルッスがパンパン、と手を叩く。
我々のご飯を作るのはルッスなのだ

『一先ず朝ごはんが先よ!冷めちゃう前に食べましょう!』
『それもそうね』

全員が着席したら、戦闘の合図だ。

なんの戦闘かって?

『う"ぉお"お"お"お"!俺のパン横から持っていくなァ!』
『だって俺王子だし〜?』
『ムッそういう貴様も俺のハムを持っていくな!』

食事の取り合いの事である。

食べたいものは奪う。それがヴァリアーの食事なのだ。

『あ、マーモン、ジャムとって』
『苺?』
『あー、マーマーレードでお願い』

ん、と手渡される瓶を受け取り礼を言う。

『う"ぉお"お"お"お"お"い!てめぇらいい加減にしろォ!』

あまりの五月蝿さに兄が切れてスクにグラスを投げる3秒前

賭けてもいいわ

きっちり3秒後にグラスはスクの頭へとヒットした

ご愁傷様、と心の中で呟いてパンに塗り齧り付く。

『珍しくマーマーレードなんだね』
『苺の気分じゃなかったのよ』

向かい側は戦争しているがこちら側は至って平穏な朝食の時間であった。

久しぶりの賑やかな朝食を終えれば、私はボンゴレ本部へと向かう。

命に背いた罰を受けるために。

ネクタイを締め直し、扉を数回ノックする。

『9代目、Aです。』

久しぶりにお父様に会えるのに、こんな形となってしまうとは。

『入りなさい』
『失礼致します』

ゆっくりと開かれる扉。

中にはボスの顔をした父の姿。

私はゆっくり中へと歩みを進めた。

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さにー☆彡(プロフ) - 霧島沙羅さん» そんな昔のものまで見てくださるとは……! 嬉しいです!! こちらこそ楽しんでかけました、ありがとうございました!!これからも応援しております! (2018年7月1日 23時) (レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
霧島沙羅(プロフ) - さにー☆彡さん» もちろんです!必ず読ませていただきます!ワンピの夢も面白そうでしたし全力で読ませて頂きますね!ありがとうございます!大切に保管し、使用させて頂きますね、本当にありがとうございました! (2018年7月1日 23時) (レス) id: d11fd893a6 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - 霧島沙羅さん» はい! もし良ければご覧になって頂けると嬉しいななんて← ありがとうございます!! こんなイラストで良ければ、ぜひ好きなようにお使い下さい!! (2018年7月1日 22時) (レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
霧島沙羅(プロフ) - さにー☆彡さん» そうだったんですね!こちらこそありがとうございます!拝見させて頂きました!どちらも可愛くて語彙力が消えていく..!どちらも紹介させて頂いてもよろしいでしょうか?!私だけ知っているのが勿体なくて、皆様にもさにー☆彡様の素敵なイラストを見て頂きたいのです! (2018年7月1日 22時) (レス) id: d11fd893a6 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - 霧島沙羅さん» ほんとに描いてて楽しかったです! 私も一作品文スト×REBORN書いたので、もうテンション上がってしまいまして← ありがとうございました!! (2018年6月29日 20時) (レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霧島沙羅 | 作成日時:2018年3月4日 20時

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