トリップ７ ページ10
「あの人はね、私の大切な人なの」
とても、大切な人。
「あ、卵焼きラスト1個貰っていい？」
シャムさんの卵焼すごく好みの味で美味しいのよね
卵焼きを頬張っているともっと詳しく、も椿に言われる。
「……ん」
卵焼きをもぐもぐしながらケータイに入っている写真を見せる。
ケータイに映ってるのはムスッとした顔でこっちを見てる我らのボス、XANXUSの姿。
「うちのボス。最初にひろってくれた人」
２回目は椿ね、と付け加えばべルキアが私のケータイを拉致されていく。
「この人だって☆」
「…この…顔に傷がある方が…」
「へぇ…本当にAちゃんはマフィアなんだねぇ…」
「え、信じてなかったんですか？ヒガンさん」
ほんと酷いな…まぁ、見えないとはよく言われてたし
沢田綱吉や雲雀恭弥にも雲の幹部、て本当？て聞かれたけど。
「この方か…A様の命の恩人…」
「ねぇちょっと桜哉、僕見えないんだけど」
「見なくていいんじゃないですか」
「ちょっと、つばキュン達！痛いから暴れないでよ〜」
べルキアが桜哉と椿に押され不服の声を上げる。
「Aさん、返しますねこれ」
さ、と桜哉がケータイをとり、私に返してくれる。
「ちょ！？僕まだ見てないんだけど！？」
「ほら、はやくこっちにおいで、椿」
ちょっと可愛そうに思えたため、手招きしてケータイを見せてあげる。
「…目が赤い」
「けど、吸血鬼とかじゃないからね？」
ふーん、と呟き、袖を口元に当てる椿。
「ありがとう、A」
「どういたしまして」
ぱっと前を見ればべルキアと桜哉、オトギリが最後のローストビーフを取り合ってる。
なんだかヴァリアー見たいだな、と思いながら3人で仲良くジャンケンしてるのを横目にローストビーフを貰っていく。
「「「あ」」」
3人が唖然とした顔でこちらを見ている。
もぐもぐ、とローストビーフを頬張り
「漁夫の利、て言葉があるでしょ？」
ごちそうさまでした、と手を合わせればがっくり、と肩を落とすべルキア達。
見かねたシャムさんが新たに3枚ローストビーフを持ってきてくれるのは数分後のお話
穏やかな昼過ぎ。
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作者名：霧島沙羅 | 作成日時：2017年6月2日 14時
