番外編･ヴァリアーと椿 ページ48
【XANXUSと椿】
「………。」
「………。」
無言で睨み合う1人と1匹にAは1人。
額に汗を浮かべていた。
こうなったのはつい先程、初めて顔をあわせた椿がボスの威圧感に耐えきれず狐となってAに抱きついたからだ。
「…Aから離れやがれカスが」
「カスじゃないし、ここにいても別にいいじゃないか。」
そういいながらも椿はXANXUSを直視出来ず、Aの腕の隙間に顔を突っ込み震えていた。
「…A、そいつをこっちに渡せ。命令だ」
命令と言われれば従うしかないAである。
「椿、ごめんね」
「！？ちょ、A！？」
もふ、とAがXANXUSの頭に椿をのせる。
「はっ…悪くないな」
「でしょ！！もふもふでしょ！！」
「あぁ。」
もふもふ、と椿の尻尾触りながらご機嫌になるボス。
もふりたかっただけなのかよ、と内心呟いた椿であった。
うちのボスは小動物に弱い。
【椿とベルとルッスーリア】
土砂降りの日。広間でルッス姉さんと本を読んでいた。
「ひーめっ」
「ん、ベル、どうしたの？」
後ろからいきなり抱きしめチェシャ猫の様なも笑みを浮かべるベル。
「ししっ暇だから構えよー」
「その前に僕のAから離れてよ」
「この雨じゃお出かけも出来ないわねぇ」
確かに暇だわ、と呟くルッス姉さん、
ベリっとベルを離し、私を抱きしめてそう呟く椿。
「あ？姫は王子のだし？」
「関係ないよ、Aは僕の主人だ」
「あら取り合いね♡」
「いや、その前に私は誰のものでもないわよ2人とも」
その後Aの提案により４人で映画を見る事となった。
【椿とスクアーロ】
「あっはははは！！面白くない！」
「ゔぉお"お"お"お"い！酒持ってこい！！」
「飲みすぎよ2人とも…」
そういいつつも日本酒とウィスキー、おつまみをおぼんに乗せて持っていく。
面白くない、といいながらも楽しそうにしてる椿に笑みがこぼれる。
「Aも飲みなよぉ！」
「それで前桜哉に怒られてたでしょ？」
「ゔぉおおい、桜哉、て誰だぁ！？」
嫁にはやらんぞぉ、と呟くスクアーロは完全に出来上がっている。
「桜哉にやるなら僕がもらう！」
「はいはい、どうでもいいから。スクも椿も、もう寝なさい。飲みすぎよ」
瓶を片付け、ふ、と後ろを見れば
ソファでいびきをかいて寝ているスクアーロと、そのお腹の上で丸くなって寝ている椿。
「まったくもう…」
毛布をかけてやり、小さく笑う。
「パパンが2人になったわね」
スクアーロは父親代り。
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作者名：霧島沙羅 | 作成日時：2017年6月2日 14時
