椿の主人は雲の幹部【REBORN！×サーヴァンプ】 (ページ34)

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トリップ２８ページ34

それは

あまりにも唐突で

心の準備も出来ていなくて

ただただ

夢ではないのかと思うだけであった

「おはよう、椿」

時計を見れば午後2時半。
夕方から真昼達と特訓の予定だ。

「A、おはよう。今日はいつになくゆっくりだね」

おはよう、と挨拶してくる家族達に挨拶する。
その日は珍しく、全員、揃っていた。

「シャムさん、紅茶貰える？」
「かしこまりました」
「A、この前完成した手品みる？☆★」
「それよりA、この前おすすめした人が新曲出したぞ、聞くか？」
「おい桜哉！僕が先に話しかけたんだぞぉ！」

喧嘩を止めようと口を開いた時

おぉいッ！電話だぞ！と鳴り響いた

「……へ…？」

音の方を見れば、今まで椿達と連絡用に使っていたヴァリアーのケータイで

「……スクアーロ…？て誰…？A」

表示されているのは我らの作戦隊長の名前。

「…嘘……なんで……」
「嬢ちゃん、早く出ねぇと切れちゃうよ…？」

ヒガンさんに言われて慌てて電話を取れば

『ゔお゙ぉおおおい！やっと出やがったなぁ！A！！』

スクアーロの声が、スピーカーにしてないのに、部屋中に広がった。

「A…スピーカーにしてもらっても、いい？」

椿にそう言われ、スピーカーにすれば、貸せ、と低い声。

『……A…応答しろ』
「…、ボス…」

その声は紛れもなくボスの声で

『……ふん。生きてたか…』
「貴方を、…殺すまで、死ねません、から」

じわぁ、と目頭が熱くなる。

オトギリがそっとハンカチを私に差し出してくれていた。受け取り涙を拭いた。

『A、話せる時間も限られてる、手短に説明するぞぉ！』
「…、りょーかい、」
『A、今君がいるのはパラレルワールドの一つなのは分かってるね？』

マーモンの声…。他のメンバーも、みんな、いるのかな。

「うん、わかってる。」
『僕の知り合いにその手に詳しい奴がいるのも覚えてるよね。そいつに頼んでこちらの世界と繋げる装置を作らせた。請求は全部A宛にしてあるからししっ王子が立て替えてやったんだからな？感謝しろよA』

あー、ヴィルデの事かな。

「ごめんね、ベル、ありがとう」
『また後日こちらから連絡するわん！早く帰ってきてちょうだいね？A』
「！ボス！私！『時間だぁ！待ってるぞぉ！A！！』

プツンｯ…

ツー…、ツー…、ツー…、

しん、と静まり返った部屋に、通話が切れた音がやけに響いた。