ぼくのだいすきなおねえさん【桃】 (ページ39)

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カタオモイページ39

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重岡side

" あっ、重岡！
ちょ、ちょっと聞きたいことあんねんけど、"

学生時代、やけにモジモジし出す俺の友達。
何回目や、これ。と付き合ってやる俺も中々寛大ななもんやな。

" あのさ、Aちゃんって……
す、好きな人とか、居ったりする？ "

男はみんな口を揃えてこう俺に聞いてきた。
…………なんで俺に聞くねん。何度思ったことか。

気になるなら自分で聞きゃええのに。
男は案外女々しかったりする。

「んー、アイツはやめといたほうがええかもなぁ。
ガサツやし女捨てとるし、付き合ったらパシられんで〜」

もはやテンプレート化とした幼馴染を落とす言葉に何奴も此奴も同じ顔をする。
ショック！！って如何にも態度に出すぎている。

これでええねん。これで。

" そ、そんな子やったんや……残念やな。
おおきに重岡！ "

「んー？どういたしましてー」

Aが中々のお鈍ちゃんであることはこの身を持って思い知らされてるからその腹いせと言っては何だが俺も裏では色々とヤンチャしてやった。

別に手荒なことはしてへんし、粗方嘘やって言うてへんし。
……………本人に言うたら確実に鳩尾確定やけどな。

" 藤井さんってあー見えてガサツらしいぜ？
俺狙ってたのに、幻滅したわ………"

『 …………最近私への清楚イメージ崩れてる気がするんやけど、大毅なんでやと思う？』

「なんで俺に聞いたん？
まあ事実やからなぁ。しゃあないんとちゃう？」

『は？』

「おーこわいこわい。
えらいすんまへんねぇ～本日もお美しいでございますぅ」

『 ………そろそろ1発入れてもええか？』

別にこのままでいい。
幼馴染という関係から変わらなくても、ずっと彼女の傍に居られたら万々歳やなって。

それが唯一俺に許された俺だけの特権。

やったのに。

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「綺麗さっぱりやん」

何となく小腹が空いたから食べるもんを求めて冷蔵庫を漁ってみたが納豆ひとつ入ってない。
コンビニで何か買ってこようと財布を持って玄関に向かう。

多分、タイミングが悪かったたけ。

ガチャりとドアノブを回すと同時に、
俺の目の前に現れた黒い2つの影。

何度も見慣れた顔にいつになっても胸が高鳴る。

『わ、大毅？』

「よっA、奇遇やな。

…………と、どちらさん？」

「 ………うーっわ、」

なぁんでこうなってまうんかなぁ。

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