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「 アホォ…… 」と真っ赤な顔を覆って、私の目の前でヘナヘナと力を緩めて背もたれに背中を預けた小瀧くん。
『 …………もしかして 』
「 ちゃ、ちゃうで！！別にAさんが流星と付き合ってるって勘違いして嫉妬した、とか………そんなん………ちゃうし、」
まだ何も言っていないのに段々と声が小さくなる彼を見て、思わずクスッと笑みが零れた。
どうやら私と流星が付き合ってるというめちゃくちゃベタで盛大な誤解をされていたらしい。
まさかそんな事だと思わなくて私も私で気付くのが遅れてしまった。
「 っ笑わんといて、！ 」
『 ごめんごめん、ふふ 』
「 ……………Aさん反省してないやろ、まだ笑ってるやん 」
そんなさぞ恥ずかしい思いをしたであろう彼は案の定真っ赤な顔を私から隠すように逸らすのであった。
彼は案外揶揄い甲斐があるのかもしれない。
私ばかり余裕が無いと思ってたから少しだけ嬉しかったりする。
「 嫌や、も〜〜…………かっこ悪い、」
『 勘違いは誰にでもあるやろし、そんな凹まんでも………… 』
思いの外、ずぅーーんと沈む彼を見て流石の私も気の毒に思った。
そんな恥ずかしかったんか、別に私は気にしてへんけどな。
寧ろちょっと可愛いなーって思ったぐらい。
「 あんだけ譲りたく無かったのに、相手が流星やって知ってめちゃくちゃ弱気になってもうたのが悔しいんです、 」
彼は変にプライドが高い所があるから自分の言動に明らかに幻滅していた。気にしいっていうか繊細っていうか……………
ああ、もう面倒くさいな。
『 ほら、外やけど特別に許したる 』
「 っ！ 」
このままだと彼は一生自分のことを攻め続けんねやろなあと何故か同情した私はベンチに座ったままゆっくり彼に向かって手を広げてみせた。
最初は驚いた顔をした小瀧くんも少し背中を曲げて、そのまま倒れ込むように私の肩に顔を疼くめて安心したように息を吐いた。
……………いつも後ろからやったからなんか新鮮なきもち。
「 ………マジで焦った、」
わたしの耳元で低音を零した彼は余程安心したのか、ぐでぇ、と抱き締める力を更に緩めた。
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作者名：むんく 。
| 作成日時：2019年8月15日 15時
