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結局あの後酔った大毅だけをタクシーに乗せて運転手さんに住所だけ伝えて、車を走らせてもらった。
あ、当然自腹やで。
『 気持ち悪、』
そんな私も、いつもより呑みすぎてしまって実は結構フラフラ。てか呑まされた。
アルコールはなんぼか抜けとるからまだ正常やけど内部的なもんは限界寸前らしい。
さっきの居酒屋から家までそこまで遠くないから、歩きでも行けるかなとか思ったけど、これが割とキツい。
今更家に辿り着けるか不安になってきた。
『 、』
あー待って。これアカンかも、結構限界。
ストンと壁に背を任せ完全に座り込んでしまった私は、あまりの気持ち悪さに吐き気と戦った。
『 流石にこんな所で吐けへんよな 』
人通りが少ないといえど、一応皆が通る公共の場。
こんな所で吐いたら……と思うと寒気がする。
『 うっ、』
でももうしゃあないもんはしゃあないやんか!!!
「 あの〜、大丈夫で、
Aさん!?どうしたんですか! 」
ここで、救世主登場。
後ろから聞き慣れた声。
………タイミングがいいのか悪いのか。
『 ちょ、ごめん小瀧くん、あんま騒がんといて………出そうやねん、今 』
「 っあぁ、ごめんなさい、
…………ひょっとしてまた飲み過ぎですか? 」
口元を抑えて俯く私を見て、察した小瀧くんが背中を摩ってくれる。
そんな彼の片手にはスーパーの袋。
偶然出歩いたらこんな光景見せられるなんてたまったもんちゃうよな…………申し訳ない。
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作者名:むんく 。 | 作成日時:2019年8月15日 15時