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焦りと不安 ページ25

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Kotaki side



"また今度でもええかな?"


何度読み返してもたったそれだけで、気分が下がる。

今度っていつ?明日?明後日?


俺は、早く貴方に会いたいのに。





「 だいき、な 」


いつもAさんの隣にはあの人が居る。
付き合ってへんとは思うけど、少なくともだいきの方はAさんに好意を抱いていて。

小学生ながらずっと分かっとった。

確かに特別分かりやすいわけでもないけど、
何となくいつも愛おしそうに見つめとったから。


「 …………っんやねん 」


ズボンに突っ込んでたスマホが震えた。
お相手は俺の親友。こんな時間に掛けてきてなんやねん、彼女か。

Aさんへの誘いは見事に砕け散ってもうたし慰めて貰わな気が済まんわ。



「 もー何流星? 」


"おー出た出た。元気しとるかあ? "


「 今日学校で会ったやんか 」


"そやっけ?あ、そか"



アホな流星と話すのは一苦労やから結構疲れる。
一瞬記憶喪失なるんなんなんこの子、こわ。



「 珍しいな。流星から電話なんて 」

"まー、気分ってやつやな。
例のAさんの話聞きたいなあ思て"

「 昼間は聞いてくれへんかったくせに!! 」

"あん時はしゃあない。
睡魔が俺に寝ろって言うてくんねんもん"

「 ただの寝不足やろ、ちゃんと寝えよ 」

"で、どーなん?"

「 …………さっき誘ったら断られた、とこ 」


あー、傷抉れた。
ガックーンいってもうた。


"望のこと断る奴なんか居るん?"

「 どんだけ俺の事過信してんねん。やから言うたやろ、あの人はちゃうねんて 。どんっだけ片想い拗らせてると思ってるん 」


自分で言って虚しなってくるわ。
事実やからこそ余計に胸が痛い。


"なーに今更弱気なってんねん。
絶対俺のもんにしたる、てか俺のもんや!って言うてたん誰や"



……………なんやねん。ちゃんと聞いてるやん。



「 そんなん今も思ってるよ。
けど、他にも狙っとる男居んねんもん 」

"んなもん気にせんとき、押せ押せ"

「 俺は流星とはちゃうねんて、アホ言うな 」



俺もあの人に劣らんくらいずっと好きなんに、
いつになったら振り向いてくれるんかな。



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作者名:むんく 。 | 作成日時:2019年8月15日 15時

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