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『 え、何、酔ってる? 』
突然のことで頭が追いつかない私に大毅は更に追い討ちをかける。
私に覆い被さる彼はググッと距離を詰めては少しばかり赤く染まった頬を見せつけるように顔を寄せてきた。
「 俺だけで、ええやろ 」
酔っているからかはたまた本心なのか、
どっちにしろ今日の大毅は絶対におかしい。
俺だけでええやろ、ってつまりそういう事なん?
分からんて、もう色々パニクってまう。
『 随分酔ってるな。1回水飲もか 』
その辺にあったお冷を持って大毅に差し出すと、
大毅はその腕をガシッと掴んだ。
「 ずーっと、我慢しとったから 」
『 え? 』
「 やから、
……ご褒美くらいくれてもええやろ 」
大毅はそう言って私に全体重をかけて、
そのまま押し倒した。
個室やから誰も私達のことなんか勿論見てへんけど流石にこれはやばい気がする。
『 大毅? 』
「 俺、柔らかい唇好きやねんなぁ 」
私の唇をツーッと指でなぞって熱を帯びた瞳でそう言った大毅に心拍数が上がる。
いや有り得へんやろ絶対。
「
吃驚するくらい甘い雰囲気に流されてしまいそうになる自分が嫌で嫌で仕方がない。
こんなの、こんな大毅知らんかった。
……………………………私が戦犯すぎるわこれは。
「 なあ。ええやろ?責任取ったるから 」
大毅のそんな顔見たくなかったんやけどな。
でも自分で蒔いた種は自分で何とかしたい。
『 っごめん、私全然知らんくて…………
大毅のこと信じたい、って無責任過ぎるか 』
自分勝手すぎてつくづく自分が嫌になるけど
さっきまで見た事もない顔をしていた大毅もまたいつもの穏やかなものに変わる。
「 ふは、なんやねんそれ。適わんわほんま 」
『 大毅、私っ、 』
「 っんー、もう寝よか。おやすみぃ 」
パタンとそのまま私の胸元に倒れてくる大毅を咄嗟に支えた。
ここ家やないんやけど……………
『 っなんなんもー、』
こんな可愛らしい寝顔を見たらそんなんどうでもよくなって、緩くセットされた髪の毛を優しく撫でてあげた。
『 …………ズルいって 』
こんなに蒸発してしまった私をいつもの君ならバカにして笑いそうなのに。
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作者名:むんく 。 | 作成日時:2019年8月15日 15時