会いたい ページ16
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「 藤井、もう上がってええぞ 」
上司であり課長の淳太さんからのその一言でどっと疲れが押し寄せた。
今日はほんっまに色々ありすぎた。疲れた、帰る。
「 淳太！俺は？ 」
「 お前はアカン 」
「 なんで！！？ 」
「 今日大事な書類に珈琲思いっきりぶっかけたん誰や 」
「 ……頑張らせて頂きやす！！ 」
いつも通りの絡みを見て私は帰る準備。
泣き喚く重岡大毅という男を私は一切知りませんし見てません。
『 それじゃ大毅お先に〜 』
「 裏切り者！！」
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＿＿＿＿＿＿"今から会えませんか？"
『 小瀧くんかぁ、』
会社から出て携帯を開けば、彼からのメッセージ。
迷った挙句、なんだかんだ昔から彼には甘い私は了承のスタンプを送って歩き出した。
そんな時だった。
「 まあ、もう居るけど 」
耳元で囁いたと同時に背中に感じる温もりに、
私の心臓は跳ね上がる。
もう、またやこれ。
この子には人前で抱き着かんように躾なアカンな。
『 なんで、』
「 俺、"待て"は得意じゃないんです 」
へへっと笑う彼に不覚にもトキめいてしまった私は、その恥じらいを拭うように何も言わず下を向いた。
そして中々離してくれない彼は更にその力を強め、また私の耳元で呟いた。
「 早く、会いたかったんです、」
切なそうにそれでいて嬉しそうにそう呟く彼は今私の後ろで、
どんな顔をしているんだろう。
柄にもなく鼓動が鳴り止まなかったのには気付かないふりをした。
『 てかなんで私の会社知ってんの？』
「 ………Aさん、時代は進んでるんですよ 」
『 え、何GPS？？？？？？？ 』
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作者名：むんく 。
| 作成日時：2019年8月15日 15時
