嘘だよ。 #CY (ページ8)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:106,806 hit

LIE 8 ページ8

・

Aちゃんと目が合った日の放課後。

俺は教室に残っていた。

というのも途中までいつメンと帰っていたのだか
忘れ物に気づいて戻ってきたのだ。

忘れ物をカバンに入れ、
もう教室を出ようとしたとき。

教卓の上にギターが置いてあったのを見つけた。

CY「あっ…そうか…」

俺はすぐ分かった。
これは担任のものだって。

"先生の趣味はギターを弾くことです"って言ってたもんなぁ。

俺はギターを手に取る。

CY「久しぶりに弾くか。」

俺はよく入院中にギターを弾いていた。
病院内でギターを弾くなんて騒音で大迷惑だ。

もちろん初めは看護師さんに怒られた。

けれどそのうち、
入院している人たちがわざわざ俺の病室に来て
俺の演奏を聞きにきてくれたりした。

そして俺がギターを弾かない日があると
心配して駆けつけてくれるくらいだった。

"君の演奏を聴くのを楽しみに毎日頑張ってるんだ。"
と言われたときには涙が込み上げてきた。

それを見ていた看護師さんは
もう俺のことを怒れなくなった。

そんなことを思い出しながら
俺は息を吸い込み弾き語りを始めた。

"If I was your boyfriend"

"I'd never let you go"

声が教室に響く。

トントン。

そのとき急にドアをノックする音が聞こえた。
そしてドアを開いたのは…

「すみません…」

＿Aちゃんだった。